富岡市の北側には、東西に大きな台地があって、富岡市側からみると山並みのように見える。その山並みのふもとに君川という集落があり、その集落で飼育所を探す。
最初に見つけたのは、君川西郷稚蚕共同飼育所だ。
構造は宿直室側が木造、飼育室側はブロック積みの壁構造、小屋は木造トラス、スレート瓦葺き。
トイレは室内から入れるようになっているほか、外周にも小用の便器が取り付けてあった。
地下貯桑場への入口は狭い。もっと広い階段が室内にあるのだろう。
ここから人が出入りできたとは思えず、桑の投げ込み口だったとしても、桑の束がつっかえてしまうのではないかと思える狭さだ。以前は路肩がもっと狭かったのだろうか。
内部は地域の集会所になっていている。飼育室と宿直室を隔てる壁が作られているが、これは後補のものだろう。
飼育室はブロック電床育で、片側4室、合計8室の造り。室は取り払われていた。
トラス部分に蚕箔が上げてある。養蚕をしていた名残が少しだけ残っていた。
(2008年09月20日訪問)