今宮の稚蚕共同飼育所から100mほどしか離れていない畑の中に、大型の稚蚕飼育所が見えた。
この大きさからして内部は2列、つまり、普通の飼育所の2倍の規模の飼育所だったはずだ。
手前にみえる灰色っぽい作物は、コンニャク。
飼育所の周囲には葉物が栽培されていた。たぶんハクサイだと思う。
建物は木造モルタルで越屋根つき。木造で2列型というと、赤城南面でみた梶谷の飼育所などが思い出される。2列型はブロック電床育だったはずなので、年代的には昭和30年代の後半以降ということになる。このころには軽量鉄骨造+換気塔方式の飼育所も増えてきているので、大型の木造飼育所はめずらしい存在だ。
現在はビワ茶の工場として使われているようだった。
付帯設備もよくできていて、モルタルのタタキと雨よけのある車寄せがあり、これなら配蚕が雨の日になっても蚕を濡らさずに配ることができただろう。
地下の貯桑室の搬入口もスロープになっていて、軽トラを地下に下ろして手際よく桑を運び入れることができた。
木造の上屋は古く感じるが、それ以外の部分は新時代の設備である。地下から桑を運び上げるエレベータもあったかもしれない。
地下へは歩いて入る入口もあった。
飼育所によっては貯桑室へはハシゴで降りるようなところもあるが、このくらい広ければ出入りもやりやすかったことだろう。
再び雨が降り出して、写真を撮るのに傘が必要な状態になってしまった。
きょうこれから向かう予定の山も雨でかすんでいる。
(2008年09月21日訪問)