房がたくさんついたカレン風ドレスはこちらにも売っている。
上着は単純な貫頭衣なのだが、マネキンに着せるときには脇の裏側を引っ張るようにして、体のラインが出るようにしてあった。
この上着をそのまま着るとこんなふうにはフィットしなくて、ずんどうに見えてしまう。若い子は自分で直して、スリムに見えるようにして着ている。ミャンマーでは以前はふくよかな女性がよいとされていた時代もあったらしいが、現代ではスリムなほうがいいらしい。
この店の特徴は、メンズの民族衣装も売っていることだ。男性も本的に貫頭衣で、胸元には「陣太鼓と水牛の角」のカレン族のシンボルマークが刺繍されている。左右の身頃で色を変えているのはやや変化球気味だ。
滞在中、若い男の子がこの種の衣装を着ていることはあまりなかった。
女性はときどき民族衣装を着ている人を見かける。
けっこう胸元が開いているものもある。上の段は若い子向きか。
ロンジー売り場。これはすべてレディース。ちなみに男性のロンジーは紺とか小豆色とかでジミなものばかり。
現地ではこうした鮮やかな横縞の模様を着ている女の人が多かった。折れ線の模様は竜を表わし、菱形は魔よけどいうような話も聞いたが、このロンジーの模様が歴史的に本当にカレン族のものなのかは確証が得られなかった。民族博物館でみた唯一の古布は、赤、青、白の色使いで刺繍がメインだったからだ。
シャンバッグもいろいろ売っていた。
これも土産品ではなくて実用品で、実際によく使っているのを見た。
ここは、先ほどの店から歩いて近くの別のブティック。
映画館の前あたりになる。
小さな店だが、ビルマ族風のロンジーを置いている。つまりカレン族の伝統衣装を扱う店ではない。
後ろのケースにある模様は、たぶんミャンマーの古都マンダレーのほうで作られているものだと思う。
典型的なビルマ族風の模様だ。
マンダレー付近にあるアマラプラという町は、織物の産地でシルクの製品も作られている。
これはタテ糸、ヨコ糸両方がシルクで織られたロンジー。写真ではわからないが、青く輝く美しいものだった。
値段は確か日本円で2万円くらい。現地の感覚でいえば20万円になる。こちらとしては良いものだったら奮発して買うのもありだと思っているのに、店の人はまったく売る気なし。たぶん、この店で一番高い商品であり、ふらっと入ってきた客が買うとは思っていないのだろう。
ミャンマーでシルクのロンジーは金持ちの結婚式とかよほどの場合でなければ着ないものらしい。
(2014年02月05日訪問)