住吉町交番から大渡橋へ抜ける道(三中通り?)は、かつて工場や商店が続く比較的ににぎやかな通りだった。私はむかし総社町というところに住んでいて、前橋から総社へのバスがここを通ったので、道沿いにあった漬物工場の匂いを懐かしく思い出す。もし少し大人だったなら、繭を煮る匂いにも気付いたことだろう。
その道が広瀬川を渡る橋の東詰めに墓地があり、よく見るとその墓地から小さな工場が見える。
ここは桜井撚糸という撚糸工場の跡だ。
見たところ、建物はおそらく撚糸工場のままであろう。ということは、内部にはまだ撚糸機などがそっくり残っている可能性が高いと思う。
撚糸機は重量のある産業機械であり、分解して狭い玄関から運び出すのは容易ではないからだ。
玄関の様子。
話を聞こうと思ったが、この日は誰もいなかったので詳細はわからなかった。
北側から見たところ。
こういう建物が前橋の製糸産業を構成した建物なのだ。よく覚えておかねば。
全景。
ちなみに、この工場があるあたりの古い字は「梅が橋」と言って、前橋城主の愛妾「お梅の方」を住まわせた御殿があったともいう。いまでは近くにある橋の名前にその名残を留めるだけだ。
(2013年02月03日訪問)