前橋市街はいまではシャッターの降りた店も目立つ、閑散とした商店街になってしまったが、かつては人とぶつからずに歩けないくらいのにぎわいのある街だった。
その商店街で中心となっていたのが「中央通り」のアーケード商店街だった。中央通りは古い名前で桑町通りともいった。養蚕が盛んだった群馬県の歴史になじむ地名だが、消えてしまったのは惜しまれる。また、この写真の交差点の角には「麻屋百貨店」という戦前のアールデコ調百貨店建築があったがそれも2011年に取り壊された。昔をしのぶものはどんどん消えてゆく。
訪れたのは1月9日。前橋市街では「初市」という市の立つ日で、おそらく1年で最も人が多い日だろう。
中央通りアーケードも人でいっぱいだ。全盛期の前橋もきっとこんな感じだったろう。
その中央通りの一角に「新井屋」という小さな中華そば屋がある。このアーケードの両側はほとんどが2階以上の建築だが、ここだけ1階で空が見える。
おそらく昭和30年代かそれ以前の建物であろう。
高校生のころ(ん十年前)何度か入ったことがある。そのころとほとんど変化していない。
ラーメンのタイプはいわゆる「前橋ラーメン」タイプの中華そばだったと思う。
まるで時が止まったような空間。中央通り商店街で一番風情のあるお店であろう。
そのうちまた食べに入ってみようと思う。
(2010年01月09日訪問)