国道50号線は、群馬県庁前から水戸市まで続く、北関東を横断する重要な国道だ。その国道50号線の、群馬県庁前から約500mの区間は両側にはビルが並ぶオフィス街になっている。
その区間には、同じような規格の3階建ての集合オフィスビルが何棟かある。いまは建て替えで櫛の歯が欠けたようになってしまっているこのビル群は、建築当時はもっと連続していた。階高が揃っているため、県庁に向けて消失点が集まるような整然とした町並みだったのだ。
このような景観のデザインを重視した都市計画は現代ではありえないだろう。ポストモダンという時代に、とにかく目立てばいいというゲスな設計思想がちまたにあふれ返り、調和という意識がなくなって久しいからである。
ビルは1階が店舗、2~3階は事務所として作られているようだ。
階段に使われているガラスブロックが時代を感じさせる。
エレベータもなく、暗い階段を登ってしか行けない事務所は、現代では使いにくいものだろう。
ビルの裏手。この部分はもしかすると、2~3階が住居になっているかもしれない。職住一体のアパートメントや下駄履きマンションが流行したのも、昭和の特徴と言えるのではないだろうか。
同じ通りにある日本銀行群馬支店。気品のあるモダニズム建築だ。
(2010年01月09日訪問)