国道8号線の里門

モーラミャイン周辺にはたくさんの里門がある。

(ミャンマーモン州モーラミャイン)

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ミャンマーの 酷道8号線は、ヤンゴン北部を起点としてミャンマーの南東部を縦断する国道だ。そのうち、モン州の古都タトン(သထုံ)からモーラミャイン(မော်လမြိုင်)を経てムドン(မုဒုံ)に至るまでの区間には、里門が多く見られる。

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里門(さともん)」とは当サイトの造語だが、ムラの入口に作られた門のことである。

里門は街道から集落へ入る枝道のところに建てられる場合が多く、奥に集落があることを示している。そして、多くは写真のように、ちょっとした休憩所が附属している。ムラ境にある休憩所という点では、日本における「茶堂(ちゃどう)」ときわめてよく似た性質も持っている。

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ミャンマーにも写真のような「茶堂」そのものとも言えるものが存在している。

たいていは街道に面していて、日本の茶堂にお大師さんが祀られているように、ミャンマーの茶堂にもナッ神が祀られている。建物が吹き放ちを基本としていることも日本の茶堂と共通するし、祭壇の取り付けかたなどの構造もおどろくほど似ている。

これはなんらかの収れん進化の結果なのだろうか。

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これも茶堂。

「里門」が「茶堂」と違っているのは、中を通り抜けられるかどうかだけでなく、茶堂には神様が祀られているが里門には神様がいないという点も注目に値する。

これから、国道8号線のタトン・モーラミャイン街道で見かけた里門をいくつか紹介しよう。

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写真はジンチャイッ滝の入口の付近にある里門。ムラというよりも商店街の入口のようになっていて、門と茶店が一体化したような造りになっている。

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写真は、やや大型の里門。三輪タクシーの待合所にもなっていて、門の中はドライバーの休憩所にもなっている。いずれ国土が発展してくれば、小さな里門ではムラに大型トラックや工事車両などが入れないという問題に直面することになるだろう。

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半分にぶった切られたような里門。

もしかすると、車両が通りにくいため本当にぶった切られたのかもしれない。

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これは、中に神様がいるので茶堂かもしれないのだが、構造としては里門形式だ。

やはり自動車の時代になり、門が邪魔になって移築されたのではないだろうか。

(2014年06月28日訪問)