小さなパゴダがあった。
これ、私はお寺ならなんでも喜ぶからいいのだけど、普通の外国人観光客を連れて行ったら、かなり不評だと思う。
パゴダの横には、断層の露頭のようなものがあった。
日本軍がこの一帯で野営したとき、兵士がこの岩に文字を彫ったのだという。
これがそうだ、と言われたあたりを見ると、文字のようなものがあるような気もするが、とても読解できそうにはなかった。
開戦当時は日本軍は圧倒的に優勢だったから、たぶん進駐した記念かいたずらのようなものが書かれているのではないかと思う。
パアンに長く滞在してこの国の風景にも見慣れてきたが、こういう話を聞くといま日本から遠く離れた場所にいるのだなと突如距離を感じてしまう。
パゴダの表側。
つまり文字があるという岩はパゴダの背面にあるのだ。
パゴダと対になるタコンタイ。オシドリタイプ。
境内には小さな祠がいくつかある。
おそらく行者の像と思うが、これはよくわからない人物。
白塗りのナッ神のお堂。
真っ白なお坊さんの像は、おっさん(ボーミンガウン)と同じ場所でよく見かけるような気がする。
アウミンガウンという人だということを聞いた気もするのだが、いまのところ確信はない。
近くにおっさんのお堂もあった。
シンウーパゴも定番だ。
池がない場合、このように水槽の中に像を作る場合もよく見受ける。
小さいながら思ったよりも伽藍が充実した寺だった。
「お坊さんを紹介するね」と言って、小さな僧房に入っていく。ここも中は真っ暗。
上がって行きなさいと、お坊さんが勧めるのだが、もうあたりは暗くなりはじめていたので、挨拶だけして帰ることにした。
みんなで記念写真を撮ろうというので、それぞれカメラとスマホで写真を撮りあう。
やっぱり、このおにいちゃんは悪い人ではなかったな。疑ってごめん。
このお坊さんはパイナップルを育てていて、おみやげにひとつ持たせてくれた。
残念ながら、文字が彫られた岩盤は2018年ごろ伽藍の拡張のために破壊されて更地になってしまった。寺の住職はここに文字があったことをまったく知らなかったようだ。
(2014年08月08日訪問)