ミャインカレイ村の鍛冶屋

ふいごで火をおこす鍛冶屋さん。

(ミャンマーカレン州パアン)

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ミャインカレイ村。

パアンからタトンへ向かうときに最初にある大きめの村だ。パアン市街から見ると真西にあたり、直線距離では1kmしか離れていないが、サルウィン川の架橋が町から離れているため、ここまで10kmの道のりとなってしまう。

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村内には鉄道の廃線が所々に残る。パアンへの鉄道はタトンから支線が建設されており、このミャインカレイ村までは来ている。この写真のあたりが駅の予定地なのだという。

ただし列車は運行されないまま時間が経過しているようで、もう一度列車を通すのは大変だろう。さらに、ここからパアンへ乗り入れるには、サルウィン川に鉄橋を架ける必要があるから、タトン・パアン線の開通は遠い未来の話になりそうだ。

きょうはタトンを目指すつもりなので、そもそもミャインカレイ村あたりで時間を使う余裕はないはずなのだが、少しだけ村のなかをぶらぶらしてみた。

村の中心からサルウィン川の西岸の道を北上すると、先日訪れたパアプゥ村へ行くことができる。その途中で道端に下写真のような工房があった。

「あっ、鍛冶屋さん発見!」

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挨拶して、仕事を見せてもらうことにした。

大きなふいごで火をおこしている。

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足踏み式になっていて、踏み込むとふいごが閉じて風が起きるようになっていた。

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日本での鍛冶屋さんで人力のふいごを使っているところってあるのだろうか。

なかなかの風情。

薄い鉄の板の途中を焼いている。

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途中で切断しているみたいだ。

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これがこの日造っていた製品。三つ手鍬のような農具の刃先ではないかと思う。

このような鍛造品では、日本なら野鍛冶といえども全体の構造となる地金(じがね)と刃先になる鋼(はがね)という金属を継いで作る。

だが、ここでは鋼を使っているようには見えず、地金だけで鍛造しているように見えた。

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実際、ミャンマー製の鍛造品はナタなども地金だけで作られていて、あり得ないくらいの「なまくら」である。

あるいは包丁などは、ぺらんぺらんの薄いステンレスの板にグラインダーで刃をつけただけというものが売られている。ままごとセットの包丁かと思うようなしろものだ。ヤンゴンまで行けばもう少しちゃんとした包丁があるのかも知れないが、パアンで自炊しようと思うと、まず包丁で悩むことになる。

(2014年07月26日訪問)

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森田勇造 (著)

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