タトン・パアン街道の茶堂

神様が祀られていない堂が多かった。

(ミャンマーカレン州パアン)

パアンからタトンまでの街道(AH1号線)は、ほとんどの区間が潅木が繁る荒れ地のような場所を通っており、ところどころに小さな集落がある。その集落の目印なのだろう、道端にバスの待合所のような小屋が建てられている。ミャンマー語で「ザヤッ」というらしい。この小屋を当サイトでは「茶堂(ちゃどう)」と呼んでいる。

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茶堂とはもともと日本の四国や中国地方の街道にある建物で、旅人が休んだりする吹き放ちの四阿(あずまや)のような外観をしている。日本では堂の中に弘法大師が祭られていることが多い。つまり辻堂の一種といえる。

カレン州にあるザヤッも、吹き放ちでありナッ神を祀ることが多いので、その特徴は日本の茶堂と酷似しており、当サイトではそのまま「茶堂」と呼ぶことにした。

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タトン・パアン街道の茶堂の特徴は、神様が祀られていないことと、おそらくバス停の機能を持っていることだろうと思う。

ただ、カレン州の茶堂のすべてがバス待合所でないことは確かだ。なぜならバスが通らないような場所にも茶堂は建てられているからである。

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タトンまでで見かけた茶堂を少しでも多く紹介しておこうと思う。

これは両側にベンチがあるだけのシンプルな茶堂。

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入口の両側に水の壺が置かれた茶堂。

応急手当の方法を書いたポスターがかけられている。村の掲示板的な機能も持っているようだ。

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3面にベンチがある木造の茶堂。

ベンチは腰掛ける位置が高めになっている。座面にあぐらをかいて座ることが多い。

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これも茶堂の一種といっていいのか・・・。

タクシーの待合所。たむろしているオートバイがいわゆる「バイタク」で、オートバイの二人乗りで目的地までいくというシステム。

荷物がバックパック程度であれば、カレン州の他の種類のタクシーより機動力もあり便利。ただし、相応の危険はいなめない。

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特徴的なデザインの茶堂。

いや、これは本当にただのバス停なのかも知れない。

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黄色のポスターはたぶん農薬の広告。

AH1号線ではこの広告を頻繁に見かける。

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水の壺を入れた小屋が併設された茶堂。

ポスターはズェガビン山のロープウエイの寄付を募るものだ。

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これは、茶堂というよりも、里門(さともん)、あるいは、屋根付橋といえるものだ。

以前にモーラミャイン方面の国道8号線には里門が多いことを紹介したが、パアン⇔タトン間のAH1号線には里門はない。あえていえば、この物件くらいだ。

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この奥に誰かが住んでいるのだろう。

(2014年07月26日訪問)

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