ヤンゴン市街からアウンミンガラーバスターミナルやミンガラドン工業団地方面へ向かうトゥダマ通り。バゴー方面へ向かうときにもこの道を通ることが多いだろう。
そのトゥダマ通りをヤンゴン市街から北に向かって走ると、バスターミナルの手前で黄金の大仏が見える場所がある。
マハチェインティサーシン寺院。ヤンゴン大仏界のニューカマーである。
お寺の名前は長いので、勝手に「マハチェイン大仏」と短縮。
まだ完成して間もないためか、観光ガイドにも載っておらずほとんど観光客は来ていない。お寺の周囲にも門前町的なものもなく、山門の前にタクシーを横付けできた。
山門のメインの扉は閉まっており、横の小さなゲートから境内に入る。
入場は無料。
大仏は二階建ての講堂の上に載っており、高さは約40mとのこと。
回りに足場がついているのはボディに金色のペンキを塗り直しているところのようだ。
山門を入って左側に寄進所がある。
境内を取り巻くように小さな塔がびっしりと並んでいる。塔の中にはすべてに仏陀の像が収まっていた。その下部には小部屋が並んでいるが、部屋はまだ空っぽだった。将来仏教説話のジオラマが入るのか、あるいは、一つ一つにすべて仏陀の像が入るかするのだろう。
境内はすべて白いタイルが張ってあり日中でも足は熱くない。
それにしても外周の小部屋の密度感がすごい。でも、この小部屋にすべて仏像が入ったとして、ひとつひとつ礼拝する観光客がいるんだろうか。動線が悪い気がする。
それとも礼拝は関係なく、とにかく数を作ることで仏陀の遺徳を高めるだけのためのものか。
大仏のスペックシートと思われるもの。
おそらく、目の大きさが何フィートだとか、体重が何トンだとかそういうことが事細かに書いてある。ミャンマーの大仏ではときどき見かける。
山門の左側。
小さな塔が境内を取り巻いていることがわかる。
境内の右奥の角にあったタコンタイ(石柱)。
よくはわからないが、インドにモデルになる石柱がありそう。
一応、まず大仏の回りをひと回りしてみた。
背中に窓がある!
登れるのか?
では、基壇の中に入ってみよう。
内部は均質であっさりとした空間だった。
二階への階段も、なんだか普通のビルみたい。
二階へ来てみた。
大仏の胎内へと入る階段がある。
「中には入れないョ?」
「え~・・・」
近所の子供だろうか。
鉄格子のすきまから胎内をかいま見ることができるが、扉は施錠してあって入ることができなかった。
んー、これは残念。
というか、境内も何にもないし、基壇の内部もぜんぜん面白くないし、どうしたらいいんだ? この寺。
「こうやって滑ってあそべばいいんだョ」
だよねぇ、他にすることないよね。
冷水器。
水を補充するタイプで、外国人が飲んだらやばそう。
二階にあった礼拝所。
二階の窓から大仏の背中側を見たところ。
裏側からも出入りできそうだ。
まだ新しいためか、大味でいまひとつお楽しみのない寺であった。ミャンマーの寺に必要なカオス成分が皆無なのだ。特に大仏の胎内が非公開なのがつらい。
よほど信心深い人か、大仏マニアがヤンゴンの大仏コンプリートを目指そうというのでなければ、お勧めできない物件である。
(2014年11月21日訪問)