日曜日、昨日に引き続き郊外に出かけることにした。きょうの目標は、パアン市南東のノゥトゥディ山脈の東麓を巻くこと。
ノゥトゥディ山脈はAH1号線の東側に連なる全長6kmほどの山塊で、パアン市内から見える山容としてはズェガビン山脈に次いで大きい。カンターヤ湖の紹介の際、「いずれあそこまで行ってみたいものだ」と書いた山並みである。
GoogleMaps の航空写真を見ると東麓を巻く道があり、山の裏を通って隣町のエインドゥまで行けそうだ。山脈の西麓は国道から見えるのでだいたいの様子はわかっているが、その裏側にあたる東麓はまったく未知の場所である。見たところ延々と田舎の道が続くだけであり、巨大なパゴダや大仏などはありそうにないが、何もない田舎を存分に見るのもいいだろう。
道程がやや複雑なので、全行程のGoogleMapsの航空写真の画面ショットをiPadに保存して持っていくことにした。ミャンマーの田舎では地図といってもほとんど真っ白だし、たとえ道が描かれていても数百mもずれていたり、橋がない場所で道が川を渡っていたりする。航空写真だけが唯一信用できる情報なのだ。
昨日と同じようにパアン空港方面へ向かうが、北へは行かずパアン空港の手前で東へ入る。
しばらくは一本道だ。
家並みはすぐに切れ、あたりは軍隊の通信隊のキャンプなどがある広々とした田園になる。
こんな風景を5kmほど進む。
やがて舗装が途切れ、赤土の道路になる。
山頂にパゴダをいただく小さな丘が見えてくる。最初のチェックポイントであり、きょうの予定のなかで唯一、訪問を決めてあった場所である。
丘はそれほど高くもないので、登るのも楽そうでなにより。
丘のふもとに到着。
緩い斜面を登ってゆく。
途中に休憩所を兼ねた門があった。
たいした丘でもないので、ここで休憩するほどではない。
どんどん登ってしまおう。
階段の左手に僧房が見えてきた。
どうやら山頂に到着したようだ。
パゴダへ行くにはさらに門がある。
右手には講堂。
講堂の内部の様子。
オレンジの市松模様のタイルがファンシーだ。
パゴダへ登ろうとすると、感じの悪い犬がやたら吠えている。
私はどちらかといえば犬は好きだが、野良犬が群れになっているときに吠えてくる犬は注意が必要だと思っている。他の犬にいいところを見せようとして勝手に興奮したり、必要以上に攻撃的になったりするからだ。
バカ犬をなんとか追い払って、パゴダへ登る。
ちなみにミャンマーへ来るにあたって、狂犬病の予防接種はしてきた。話を聞く限りでは、行政も多少は狂犬病対策の活動をしており、寺の中でそうそう狂犬病の犬がうろついているという状況ではないようだ。
しかし、ミャンマー全体ではものすごい数の野良犬がおり、狂犬病の死亡者は年間百人以上になるという。
階段の途中にも僧房があり、木魚が掛けられていた。
頂上のパゴダに到着。
金色のペンキが青空によく栄える。
パゴダの周囲は見晴らし台になっている。
真南の方向。
斜面にちょこんと斜めに岩が突き出したシルエットはズェガビン山脈だ。
南東方向を見ると、これから向かうノゥトゥディ山脈の山並み。山脈の一番手前のくっきりと見える山塊は、ノゥトゥディ山というらしい。
これからあの山の左側を行くのだ。
パゴダの周りは白っぽいタイルが張ってある。白いタイルは足の裏が熱くないのが普通なのだが、ここはやや熱め。陰が落ちている部分だけを歩いてパゴダを一回り。
見晴らし台の一角にベンチがあり休憩できるようになっている。ブーゲンビリアの花が鮮やかに咲いていた。
観光で来るような寺ではないが、よく整備された気持ちのよい僧院だった。
坂がきつくないのも助かる。
それでも、丘を登って降りると一息つきたくなる。
山門の前に2軒の茶店があり、そのうちの1軒にクーラーボックスがあったのでで冷たいジュースを飲むことにした。
茶店にはいろいろな雑貨が売っており、ビリヤード場も備えている。
自然発生したミニマムな門前町といったところだろうか。
電気もないような村でもこうした娯楽があって、村の若者たちはそれなりに楽しんでいるのだな。
(2014年11月08日訪問)