マハミャムニ寺院の広い境内の片隅に、小さな子院のようなお寺があった。
外観からは興味を引かれる要素は皆無なのだが、せっかくなので入ってみた。
境内はテントが張られていて、むさくるしい髪形のおっさんが座っていた。
「オレの寺によく来たな! 本堂を見ていきなョ。オレは5つの宗教を究めた行者なんだぜ。」
「あんた、すごいお坊さんなの?」
「お坊さんっていうかサ、オレ本来はクリスチャンなわけョ」
よくわからないが、このおっさんの寺らしい。
本堂の中は、高純度のナッ神展示場だった。
ナッとは、ミャンマーの土着信仰で、日本でいえば神道か修験道みたいな感じ。たくさんの神々がいる。
いわゆる「神様」と言える天界の神が6柱、下界にとどまるいわゆる「怨霊」に近い印象の神は有名なものが37柱いるという。
37柱のおおかたが非業の死を遂げた人がナッになったとされている。日本でいえば崇徳天皇とか菅原道真みたいな人がナッになるというわけだ。
この黒い服を着て、水牛の頭をかぶっているのはナンカライメイドとうい神様。この神に憑依されると、話す言葉が口汚くなるという。
タナカの木を持っている女神。
馬に乗って、右手に刀を持っているおじさん。
台座に名前が書いてある!
「パカンマイン」と読める。
酒好きで人気のある神様だという。
ウイスキーと鳥の唐揚げが奉納されていた。
ナッ神については、日本語文献があまり見当たらないし、わずかにある blog の情報もどこまで正しいかわからないので、実質的にわからないことだらけである。
37柱がスラスラと言えるようになったら、ミャンマーでの物見遊山の寺参りは「アガリ」が見えてくるのではないかという気がする・・・。
(2015年05月05日訪問)