ミンコーコ演芸場

畑の中に芝居小屋があった。

(ミャンマーカレン州パアン)

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ズェガビン山の東参道からの登頂も無事終了して下山。ふもとのお寺の仲見世で缶ジュースを2杯飲み、帰路に着いた。

きょうはさすがに疲れたので、あとは宿に戻って身体を休めるつもりだ。

だがその前に、この東参道の入口に気になるものがあったので立ち寄ることにした。

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これがその気になった物件。

回りは畑で人家がほとんどない場所だが、おそらくこれは芝居小屋であろう。

仮設ではなく常設の小屋のようだ。パアン市街には映画館はあるが、(おそらく)芝居小屋はなく、これまで回った村々でも常設の芝居小屋は見たことがなかった。

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去年来たときには気付かなかったが、最近できたものではないかと思う。

中央のオーナメントには「မင်း​ကိုကို သဘင်」とある。意味は「ミンコーコ演芸場」だろうか?

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内部は奥に舞台、左右に桟敷、メインの席は中央の平土間という造り。

舞台の背景はズェガビン山の書割りになっている。

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右桟敷。

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左桟敷。

何やらたくさんの荷物が置かれていた。旅の一座の衣装や小道具だろう。

人がいたので開けて見せてもらったらよかったかな。

日本でもかつてこのような田園に芝居小屋があり、旅役者や村芝居が人々の娯楽をになった時代があった。その後、娯楽が映画、テレビと移り変わるなかでそうした芝居小屋は役目を終えていった。日本には現在でも回り舞台や二階桟敷があるような本格的な芝居小屋はかろうじて残っている。数は不明だが、営業していない建物を含めれば全国に200~300軒くらいは残っているのではないかと思う。いや、残っていてほしい。

だが、このようなにわか造りの簡素な小屋は、より見つけにくく、失われやすい。「確実にそうだ」という建物はいくつも思い当たらない。むしろこうした簡素な芝居小屋こそ、よく記録しておかなければいけないのではなかろうか。

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パアンに帰る途中、道端でサトウキビジュースのお店があったので入った。

もういくらでも水分が飲めるという状態なのである。

ミャンマー風かき氷があったので注文してみた。これを頼むのは初めてである。途上国では氷は口にするなというのが鉄則。これは氷が主体の非常にリスキーな香りのする、万人にはお勧めできないデザートである。

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かき氷に大量の練乳、イチゴシロップ、ナタデココ、カステラ、オオギヤシ、ピーナッツの粉末を載せたものが出てきた。冷たさと甘さが満点で、暑季の気が遠くなるような熱さの中では最高のデザートだ。

これで40円。サトウキビジュースと変わらない価格帯だからとてもコストパフォーマンスがよい。

ちなみに、これまで何度も食べているがいまのところお腹をやられたことはない。

(2015年04月25日訪問)

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