美作から米子へと通じる出雲街道。現在は国道181号線となっている。道路マップを見たら、その道を勝山町から少し山間部へ入った
「鬼の穴」とは、岡山県央地方で鍾乳洞を意味する言葉だ。いまでこそ鍾乳洞は観光資源となっているが、電灯の無い時代、どこまで続くかわからないような洞窟はこの世とあの世をつなぐ場所のように思われていたのだろう。
洞窟の入口は国道に面していて、気をつけていれば簡単に見つけることができる。
案内板によれば、センサーで電灯がつくようになっているとのことだったので、カメラだけを持って入ってみた。
入口には用水の水道橋がかかっていて、それをくぐって入っていく。
センサーが作動し、自動的に電灯がついた。
電灯は20分で自動消灯するという。中にいて電灯が消えたらえらいことだが、結論からいえば、一般人がこの鍾乳洞に20分もいることはないと思われるので十分であろう。
洞内は途中に支洞があり二股になっているものの、最も深い部分で50mほどしかない。
美麗な鍾乳石や二次生成物はあまり見られないが、天井を見ると、ごくわずかな膜状の鍾乳石が見られる。
鍾乳洞は入口から登り傾斜になっているが、石段が造られているので足下は心配ない。
・・・と思ったら、途中で電灯が切れているところがあり、そこを歩いている最中に斜面に足を取られて転倒してしまった!
カメラにまたひとつ名誉の戦傷がきざまれたのだった。
短い洞窟とはいえ、ちゃんと自前の懐中電灯を持って入ればよかった。
なお洞内には、幕末に西園寺公房が薩長の兵を率いてこの街道を通った際、穴の中に落書きをしたものが残っているとのことだったが、どれだかはわからなかった。
鬼の穴本洞から30mほど離れたところに、もうひとつ洞窟が口をあけている。
この洞窟は浅くてすぐ行き止まりになっていた。
(2003年05月01日訪問)