勝山町から国道181号線を西へ。市街地を離れてすぐの字、上江川に揚水水車がある。
道ばたにあるため、注意して走っていれば偶然発見することもありそう。
材質は木と竹。大工さんの仕事と思われるが、水輪の構造が特異だ。
一般的な水輪では、蜘蛛手と呼ばれるスポーク状の構造材が軸のホゾに差し込まれ、カラミや輪板といったリム状の構造材に固定されることで、2点、あるいは、3点で固められている。
ところがこの水輪では、カラミ(正方形のヌキ)のホゾに差し込まれているだけで、あとは外周に巻いてある細い竹材に釘で打ち付けてあるだけなのだ。
カラミに差し込んであるだけの構造が、力を受けるにしては、やけに頼りなく感じられる。
だがその代わりに、羽根板の枚数が16枚と非常に多くなっている。枚数を多くすることで力を分散するという発想なのだろう。これまで岡山で見てきた揚水水車はすべて羽根板が8枚だった。
近くに、古い水輪の残骸と思われるものがころがっていた。
カラミに蜘蛛手が取り付けられている構造がよくわかる。
(2003年05月01日訪問)