高梁川の西岸のカルスト台地、
左図は電子国土で見た鬼女洞の地図。東西500m、南北200m、深さは50mはあろうかという深いドリーネの最深部に鍾乳洞があり、洞窟は高梁川側の崖の中腹に貫通しているというしびれる構造。
ドリーネの中にある柏集落。
ちょっとわかりにくいが、奥に見えるスギ林が最深部で、そこに向かってひたすら下降していく地形だ。
ドリーネの底側から集落を見ると、こんな感じ。
これ、山の斜面ではなく、穴の斜面なのだ。
これまで見てきたドリーネ集落は浅い窪地だったが、ここは深さ50mはあろうかという深い穴。その穴の中に集落がある。
集落の中央には小川が流れている。当然その小川は鍾乳洞へと流れ込んでいく。
おそらく豪雨などの際には、濁流が鍾乳洞に流れ込むだろうと想像される。
特に案内板などはないが、無理な薮漕ぎなどはせずに洞口までだどりつける。
非観光洞なので照明はない。
無理せず見学したい。
たいして入らないうちにフローストーンが見られる。
天井の方を見ると、支洞のような穴が確認できる。
ここから水が流れ出ることもあるのだろうか。
そして、鬼女洞で何よりも気になるのが天井にある電線だ。
かつて観光洞として内部に照明がされたことがあるらしい。
ただし、足下はまったく整備されておらず、流れ込む小川の水でびしゃびしゃである。
長靴を履いてくれば良かったか。
貫通しているため洞内には風が吹き抜けている。
内部は全体的にゆるい傾斜で、ところどころにリムストーンを形成している。
一般に、鍾乳洞といえば地下水で浸食されて出来るので内部の水は澄んでいる。ところがこの鬼女洞はドリーネの小川が流れ込んでいるため、腐った落ち葉などのゴミが目立つ。一部はそのまま二次生成物に取り込まれてしまっている。
集落の排水も流れ込んでいるのかもしれない。洞内にはドブのような、下水道のような匂いがしている。
なんとなく黒ずんで見えるリムストーン。
溜まっている水も、なんだかあまり手を浸けたくない感じだ。
途中1.5m程度の滝があったので、そこまででやめておいた。
滝の先も平坦で、降りようと思えば無理せずに降りられそうだが、あまりキレイとも言えない水に濡れることになりそうなので、進むなら覚悟がいるだろう。
地図で見ると洞窟の延長は200m程度。情報によれば、この程度の滝が2箇所あり、出口までは行けるようだ。ただし出口は絶壁の途中になるため注意が必要。
この鬼女洞は内部の危険度もあまり高くなさそうなので同行者がいれば最後まで行ってみたかった。
ドリーネからして見ごたえがあり、ドリーネの吸い込み穴を体感するのにも最適な好感度の高い鍾乳洞だった。
（2003年05月02日訪問）
