次は・・・あのハデハデな寺に行くか。
でも、ちょっと距離がある。周囲は潅木の林だ。
この道を行けばいいのか・・・?
合ってた!
正方形平面のお堂の屋根に、小さな仏塔が剣山みたいに生えている。
衛星写真で数えてみると、中央の大仏塔と88個の小仏塔がある。
寺の入口には大きな山門。
あとで気付くが、これはこの枝道の奥にある別の僧院の門だった。
さっそく剣山のようなお堂に入ろうとしたが、鍵がかかっていて中には入れない。
ただしアコーディオンシャッターだから中の様子はよく見えた。仏殿だった。
敷地にある他のパゴダを見ようと、仏殿の横に回り込んでいったら、庫裏があり、お坊さんが出てきた。
「ミンガラバー」
(外国人がミャンマー人に向けて使う万能の挨拶)
「中を見たいか? ついてきなさい」
鍵をとってきてくれた。仏殿を開けてくれるみたいだ。お互い、言葉はまったく通じないのだけど、すぐに歓待してくれるのがミャンマーの田舎の寺なのである。
ガチャッ、ギギギギーー。
薄暗いお堂にアコーディオンシャッターの軋みが響く。
おお! 外周には仏陀がびっしりと。
これは、過去二十八仏堂だな。
中央は四角い柱になっていて、ひときわ大きな仏陀が祀られている。
デジカメで増感されているので、けっこう明るそうに見えるけれど、実際はかなり薄暗い。
ミャンマーの片田舎の薄暗い仏殿の中を、たった一人で堪能するぜいたく。
仏殿の裏手に廻ってみた。
裏手にはシンプルなパゴダがひとつだけある。
こっちにも小さなお堂があるぞ。
やはり屋根の上が小さな剣山みたいになっている。
「なに? こっちも見たいの? あんたも好きだね~。」
こちらも仏殿だ。
外周回廊があり、中央の部屋に仏像が埋め込まれている形式だった。
お坊さん、ありがとう。
寄進しようかと思ったら、そそくさと庫裏に戻ってしまった。
(2016年12月18日訪問)