前ページから1週間が経った日曜日。ふたたび、パプン街道を走っていた。先週の最後に時間切れで調べられなかったパゴダを訪れるためである。
きょうはさらにこの付近にあるという洞窟寺院も探す予定だ。
先週とは逆の動きでチャーインポロム僧院のある村へとやってきた。
路面はひどい荒れようだが、先週と違ってここまでの行程がきれいな舗装道路だったため、このわずかな未舗装区間は不思議と苦にならない。
再びあの山門の前に立った。今度は明るい時間である。
扁額の文字を見ると、どうやらここはチャーインポロム僧院に関係する寺のようだ。別院か山上伽藍なのだろう。
山門を入ると森の中に参道がまっすぐと伸びている。
周囲はチークの森。おそらく人工林ではないかと思う。
荒れたデコボコ道は走りにくく、ルート取りに神経を使う。
森の切れ目にパゴダの列が見えてきた。
参道の全長は2kmほどだ。
パゴダ群は山の等高線と直角に並んでいる。
どことなくスキー場のリフトの支柱を思わせる光景だ。この直線の斜面をやみくもに登るというのは見た目ほど簡単なことではない。実際、夏山でスキー場リフトのメンテ用の斜路を登ったことがあるが、等高線と直角の直登はとてつもなくキツイのだ。
衛星写真を見るとS字を描きながら山の山頂まで登れる道があるようだ。GoogleMapsのキャッシュを見ながら道を選べるので、ミャンマーの田舎でも最適なルートを選ぶことができるようになった。便利な時代になったものだ。
だたしオートバイで走れるかどうかはかなり微妙な感じだったが、行けるとこまでオートバイで登ってみよう。
途中から道はガレてきたうえ、斜度も急になりとてもオートバイが走れる状況ではなくなった。
それでもだいぶい標高を稼いだぞ!!
オートバイを置き、そこから先はガレた道を歩く。しばらく進むとパゴダが直線的に並んでいる場所に出た。
さっき通ってきた長い参道の先にはチャーインポロム僧院の湖が見える。(下写真)
その先に霞んで見える山は、タンガリー寺院やディダーイー洞窟寺院の山ですでに訪問済み。
どうやら山頂までの2/3は来ているようだ。
ここからはちょっと無理して、パゴダの並びに沿って登ることにした。やはりつづれ織りに登るのは距離が長くなりすぎるからだ。
人が歩いたような踏み跡はあるが、斜度が急なので日本人がサンダル履きで登れるギリギリの道だ。ミャンマー人はこんな斜度もサンダルで楽々と踏破できるのだろうか。
最後のほうはどこが道なのかもよくわからない岩場を登りきり、なんとか山頂に到着した。
山頂のパゴダは途中のパゴダよりも二回りくらい大きい。すでに汗だくなので、しばし腰掛けて休憩。
ふもとからはパゴダは山頂にあるように見えたが、ここは尾根の突端で、ここからさらに奥のほうに尾根が続いているのだった。
しばらくは水平の尾根なので歩いてみる。
マフィン菓子のような奇妙な形のパゴダがあった。
ここから先も尾根を歩きながらパゴダを巡ることができそうだが、キリがないのでここまでで引き返すことにした。
この山全体に点々とパゴダがあるので、ピクニックをかねて尾根を歩いたら気持ちよいかもしれない。
もちろん見てのとおり、山登りをしている人など誰一人いないのでこの山を独占できる。このへんがミャンマーの田舎の面白いところ。
中型パゴダのところに戻ってきた。
この場所からはほぼ180度の展望がひらける。岩場に腰掛けて、風に吹かれながら眺めていたら時間が経つのも忘れてしまいそうだ。
(2016年12月25日訪問)