カァヨン村の屋根付橋

橋床が透けて見える歩行者専用の橋。

(ミャンマーモン州モーラミャイン)

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ガウンセー島から戻り、モーラミャイン市街で買い物や簡単な観光をして帰路についた。

市街から離れ、パアン・モーラミャイン街道を10kmほど行ったところにカァヨン洞窟寺という観光地がある。この洞窟寺がある街道の東側はこれまでもねちっこく調べてきたエリアだ。

だが、街道の西側のほうへはまだ行っていない。

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街道の西側にあるカァヨン村の入口はヤシの並木になっていて、少し心魅かれる道なのだ。

衛星写真を見るかぎり立派な寺などはなさそうなのだが、ただ村を見るためだけにこの道を入ってみることにした。

川沿いに発達している村なのでうまくすれば屋根付橋のひとつも発見できるかもしれない。

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村は舗装された道に沿って、細長く続いている。

モーラミャイン近辺の村に多く見られる里門がこの村にもたくさんある。

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村といっても日本の農村の雰囲気とは違う。家々は密集している。日本でいえば都市郊外の新興住宅地のような住宅密度。

さまざまな庭木が植えられていて、それらは個々には雑然としているが、全体的には調和して見える。これがミャンマーの村の美しさなのだ。

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道は途中から僧院の回廊に直結している。

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寺の回廊が公道にもなっているのだ。

回廊の中をオートバイで走り抜けることができる。

こういう造りは、以前にコッグーン村でも見かけた。

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村外れまで来てしまった。

どことなく寂しい場所だ。もしかするとこの先は墓地かもしれない。

この村外れからもう一度村のほうへ戻りながら、村の全体を動画で撮影してみた。

動画 道路がデコボコなので画面酔いに注意。

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さて、村の中央付近に案の定というか屋根付橋を発見。

衛星写真では確認できないが、ありそうな予感はあったんだよね!

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橋の東詰めは石段になっているため、徒歩でしか渡ることができない。

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橋床はチーク材のスノコ構造で、川面が透けて見える。高所感はないので怖いことはない。

橋の上から夕方の水浴びをする女性が見えた。

水は濁っていて、ゴミも流れている。衛生的にものすごく不安を感じさせる水浴び場なのだが、なんだろう、、、この原初の楽園のような光景は。

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写真を撮っていたら子どもたちが珍しそうに集まってきた。

橋の動画

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川辺にあった葉の壁の家。

インペアモウという広葉樹の葉を編んだ建材。小屋の屋根などに使われるのをよく見るが、住居の壁に使われるのは珍しい。

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本格的に日が暮れてきた。

モーラミャインからパアンに帰るには、パアン・モーラミャイン街道が一般的だが、最近、エインドゥ・ザタピン街道という間道が整備されているので、そちらを通ることにした。

私の定宿はパアン市でも南東の外れにあるので、エインドゥ・ザタピン街道が整備されれば便利になるのだ。

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だが、街道の整備はまだまだ途上だった。

道路は路盤がむき出しの石だらけで、オートバイが走れる範囲は幅30cmくらいしかない! ほとんどの車両が石をさけて同じワダチの上を走っている。

橋の掛け替えも何ヶ所もあって、仮設道の砂地の中で何かを踏んだらしく、タイヤがパンクしてしまった。

人家の少ない郊外の間道で、あたりはどんどん暗くなっていく。心細さが半端ではない。

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だがあまり歩かないうちに小さな集落があり、若者がたむろする修理屋があった。助かった。

ミャンマーでは田舎の村にも頻繁にオートバイの修理屋があるし、ガソリンをペットボトルに入れて売っているので意外に便利なのだ。しかも12月31日の夜にもこうして営業している。

これがもし日本だったら日曜日の夜に田舎の村でガス欠や故障しただけで、大変なことになる。

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でも、パンク修理の様子がどうも気になる。あまり慣れていないみたいで、やけに時間がかかっている。そしてタイヤの中の異物のチェックしてないみたいだけど、大丈夫?

でもまあなんとかやってくれているので、隣の雑貨屋でスナック菓子やジュースを買って休憩。ちょうど飼っているいるブタに夕飯を喰わせていたので、触らせてもらいながらパンク修理が終わるのを待った。

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とりあえず修理はうまくいき、パアン市内までもどってきた。だが、パアン市の外れあたりでタイヤの空気が抜けた。

・・・やっぱり、ちゃんと修理できてないじゃん!

またすぐに道端にバイクショップっぽい店があったので修理を依頼。

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こんどの店は腕がよく、あっというまに修理が完了。

「こんなんが刺さってたよ!」

あの田舎の店、ホント何やってたんだか。

大晦日の夜に2回もパンク修理するはめになってしまったのだった。なお、パンクの修理はチューブ交換で200~250円。

(2016年12月31日訪問)

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