つづいて、ヤーペー山にあるという鍾乳洞を探しにいく。
といっても山は広く、衛星写真でもそれらしき場所が発見できず、まったくアテがないのだ。とにかく山に近づくためにゴム畑の中を分け入ってみた。
ほどなく山を巻く小道へ出た。オートバイがかろうじて走れる程度の道だ。
だがミャンマーだとこのくらいの道の先に、小さな部落があったりするので、これでも立派な道である。
うーん、ゴム畑に迷い込まないように道をたどるので精いっぱいで、鍾乳洞がありそうなポイントが見つけられない。
衛星写真を確認するとどうもこのあたりが怪しいのだが・・・
この道か?
ワダチがついているけれど、藪が道にはみ出しており、オートバイで走るのはかなり厳しい。
とにかく村人を見つけて、道を聞くしかなさそうだ。
すぐ近くに寺っぽいものがあったので入ってみる。
参道の入口に質素なパゴダと小屋がある。
だが人の気配はない。
さらに奥に入って行くと、人がいた。
寺を造っている僧の家族と思われる。
「このへんに洞窟ないですかね?」
「□♯※◎△%╳!!!」
あれ? 英語通じない・・・がんばってビルマ語でも尋ねてみたがさらに通じない。
どうもこの鍾乳洞の探索は、もういちど情報収集からやり直さないとダメっぽい。
実は以前にこの山に鍾乳洞があると教えてくれた人物が出稼ぎに行ってしまっていて、詳しい話を聞くことができなかったのだ。
しかたがない、パゴダにお参りしていこう。
この僧院のメインのパゴダ。パゴダ拝殿があり、その手前にさらに日除けの屋根を作っているところだった。
屋根の下にはなぜか藁が敷いてある。この藁の上で裸足になって、とりあえずパゴダに跪拝した。
パゴダから降りてくると、寺の家族が手招きしている。どうやらお茶を飲んでいけ、ということらしい。
田舎の寺へ行ったときの定番の流れですな。
家の中に上がると、想像以上の大家族。3世代が同居しているみたいだ。
けっこうぜいたくな茶菓子が出てきた。ライスケーキ、食べるお茶、寒天ゼリー、インスタントコーヒー、クッキーが並べられた。
ライスケーキはもち米を甘く味付けして固めたもの。ちょっと脂っこいが和菓子に近いもので違和感なく食べられる。
食べるお茶はミャンマーでよく出てくるお茶請け。お茶の葉をゆでて塩とニンニクで味付けして発酵させたもの。揚げた豆やゴマとまぜて食べる。とてもおいしいので止まらなくなる。
「うちのおばあちゃんを紹介するね」
というようなことを言っているみたいだ。まったく言葉は通じないのだけど、なんとなく意志疎通して、お菓子をいただいた。みんなで記念撮影。
たぶんこの寺に外国人が来たのは初めてだろうし、今後何十年も外国人が訪れることはないだろう。それほど辺鄙な場所だった。
(2017年01月04日訪問)