寄り道が2ヶ寺つづいたが、やっと本来向かうべきお寺の参道へと入った。
だが、どうもひどい荒れようだ。中央分離帯のある立派な参道なのだが、路面はひび割れ、枯葉や雑草に覆われてまるで廃虚。在りし日のレオマワールドの奥のほうを彷彿とさせる。
本当に寺があるんだろうか・・・
かなり心配しながら参道を進んでいくと、山門があった。
山門の前にはカエルパゴダ。細かいイボイボが気持ち悪い。
山門は三間二戸で中央が休憩所という、ミャンマーではときどき見かけ、日本では絶対に見かけない構成。
山門の前にもカエルの像がならぶ。動物園か遊園地のゲートにしか見えない。
さて、サイトではタイトルを付ける必要から寺の名前を調べなければならない。人がいれば寺の名前を尋ねるし、山門に扁額があればそこから名前を決める。この寺では山門に文字があったので、あとで写真を通訳さんに見てもらった。
「この文字は・・・パオ族の文字、読めないネ」
え? ビルマ語にしか見えないんだけど? しかたないので「パオ僧院」としておく。(本当の名前がわかったら書き換えるかもしれない。)
山門を過ぎると、参道の様子は少しマシになってくる。
境内に入ると大きな僧房があった。
ここは僧院なのだ。そのわりには人を見かけない。
僧房は二階建てで、二階へ登る階段が面白い。
二階の手すりが壊れているので、使われていないのではないか。
境内から見下ろす斜面の下に大きな講堂と思われる建物があった。
奥のほうへ行けそうだ。
中央の渡り廊下のような通路へ入ってみる。
講堂のような広々した部屋があるが、鉄格子で入れないようになっていた。
渡り廊下を過ぎ、石段を登っていくと見慣れない四角いパゴダがあった。
装飾が細かく、荘厳なパゴダだ。小さな仏塔が幾重にも取り巻く様子はまるでボロブドゥール寺院みたい。これはなかなか見ごたえがある。
なぜ人がいないのだろう。
対になるタコンタイは鉛筆型。
四角いパゴダの横には二階建ての不思議な形の建物があった。おそらく得度堂ではないかと思うが、二階へ上がる階段が階段室として別棟に建てられていて、そこから渡り廊下で建物に入るようになっている。
面白いことを考えるものだなあ。
四角いパゴダの隣にはわりと大きな窓のない建物があって、入口は鉄格子が閉まっていた。
はじめは建物を迂回して敷地の奥へと進んだのだが、先でお坊さんに会い、建物を開けてくれることになった。せっかくなので順番通りに建物の中を通過していこう。
建物の内部は仏殿だった。
窓がないため薄暗く、写真を撮るのがたいへん。
これは過去七仏コーナーか。
外周の回廊部分には仏教説話のジオラマと思われるものが並んでいる。
この薄暗い通路を進んでいく。
反対側にも同じようにドアがある。建物を通過できるのだ。
出た場所には、デコレーションケーキみたいな丸いパゴダがあった。さっきの四角いパゴダとは対照的にデザインしたのだろう。
こちらもなかなかに荘厳。
パゴダの基礎には小さなお堂があり4人の托鉢僧の像がある。このお堂は四隅にあるので、合計16人の修行僧がいることになる。
対になるタコンタイにはびっしりと装飾がほどこされ、ガラス張りの小仏がたくさん埋め込まれている。
このパゴダの先には2つの建物がある。
仏殿ではないかと思うのだが、かなり手前でサンダルを脱いできたため、足場が悪く確認できなかった。
寺の建物はここまでみたいだ。ここで引き返す。
再び僧房のあるあたりまで戻ってきた。
ほかの堂を見ていこう。
これは仏殿。
内部にはタイ風の仏像があった。
境内の入口付近にあった建物。
僧侶の住居か。
このあたりから山の斜面を降りていく通路があった。
狭くて薄暗いような通路がを進んでいくと、、、
まっすぐな回廊に小部屋がたくさん並んでいる場所に出た。
小部屋のドアはそれぞれ違う色でカラフルに塗られている。全部で24部屋ある。
小部屋の中を覗くと、中は2畳くらいの狭い空間で、おそらく瞑想所ではないかと思われた。
僧院というととかく地味な印象があるが、この僧院はパゴダも立派だし、色々と不思議な建物もあり楽めた。廃虚っぽさに危うさも感じられるが、そこもまたミャンマーの寺の風情といっていいだろう。
(2017年01月04日訪問)