ウィンセインの繁華街へ戻ってきた。
ターマニャ僧正が存命のころは全国から参拝者がこの町に押し寄せたという。
ターマニャ僧正が亡くなったいまも、繁華街には活気がある。
町の住人は敬けんな信者で菜食主義者のため、精進料理が名物だという。さまざまなコンニャク料理があるという話も聞いたことがあるので、いずれ精進料理店を見つけ出して紹介できればと思う。
その繁華街の一角に人が集まっている場所があった。
ダコンダイ(もしくはチョーダイ)と呼ばれる棒登りだ。
2000年に珍寺大道場の小嶋独観氏とバゴーを訪れたときにも見たことがある。そのときもきょうと同じ1月4日だった。どうやら1月4日に行われる行事のようだ。
1月4日は独立記念日だが、各地で運動会を開催する日でもある。これもスポーツを兼ねた娯楽なのだろうか。
観客たちはみな竹の棒の上部に注目している。
竹の棒の先には賞品(服?)と、現金が取り付けてある。金額は20,000チャット。おおむね4~5日分の稼ぎに相当する額だ。
棒を最後まで登れればこの賞品が手に入る。
竹の棒登りと言っても、簡単ではない。
竹に油が塗ってあるからだ。しかも油切れしないように、上部の節の中に油が備蓄してあり、小さな穴から流れ出てくるのだ。
いよいよ競技が始まるので、その栓を抜いているところ。
竹の下部からは油がしみ込んだボロきれで、まんべんなく油を塗っていく。
しかも、ただの油ではなくどす黒い。エンジンオイルの廃油か、煤を混ぜ込んであるパーム油だろうか。ただ滑るだけではなく、体中が真っ黒になってしまうといういやな仕様。
はじめ、なかなか挑戦者が現れなかったが、ほどなく元気のいい3人組が挑戦。
ヤッター、賞品を掲げ踊りまくる挑戦者。
でもどうやら、物言いが付いた模様。
竹を流れてくる油の量が少なかったのと、3人の肩車は無効ということのようだ。
仕切り直しで、別の挑戦者が登場。
だが油の量が増えたためか、まったく登れない。
カラダとパンツが汚れただけだった。残念!
最初に挑戦して成功した青年が再度登場。
期待がもたれたが、、、
スタミナ切れか。
先ほどの勢いはなく、いいところなし。
最初のグループから別の青年が棒に取りついた。
途中から上部の油が切れてきたのと、履いていたパンツがよかったのか、いい調子だ。
それにしても、いいカラダしてるな。
登頂成功。
再び踊りまくる男たち。今度は賞品をもらえるのだろうね。
(2017年01月04日訪問)