ふれあいの森ローラー滑り

眺めの良い斜面にある城型大型遊具。

(徳島県三好市三野町芝生)

徳島県には「ソラ」あるいは「ソラスジ」と呼ばれる地域がある。ソラは大ざっぱには吉野川の上流域ということになるのだが、私の独断で言えば吉野川にかかる岩津橋から西がソラである。

「ソラ」という名前は、その方面に急傾斜の高地集落が多いことから名付けられたといわれている。古い時代には焼き畑が行われたような場所である。実際、ソラの地域では玄関を開けると目の前が空中という感じの家がたくさんある。あるいは、村そのものが空の上にあるような、まさに言い得て妙としかいえない名前なのだ。

ソラ地域の村の風景やかつてそこで盛んだった葉タバコ生産についてはいつか書く機会があると思うが、まずそのソラを代表するような公園を紹介しよう。

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それが三好(みよし)三野(みの)町の健康とふれあいの森公園である。吉野川北岸の急な丘陵の尾根にあり、公園の敷地からは吉野川平野を見下ろすことができる。

公園にはいくつかの遊具があるが、特に目立つのはこの城型の大型遊具だ。名前は案内板ごとにマチマチで、「みの冒険城」、「マジカルラビリンス」、「MINO ADVENTURE CASTLE」の3つの表記がある。

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CASTLE型遊具の本体は2階建て+屋上の計3階。内部は縄ばしご、階段、滑り棒などで上下移動できる。

1階部分からは2基のローラー滑り台が伸びていて、滑り台を降りた先には木登り遊具の「フェアリーフォレスト」がある。

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2階の内部の様子。

常に縦の空間を意識できるように、床や天井が金網になっている箇所が多い。よく考えてある。

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滑り棒。

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外装は石壁を模したようなテクスチャになっているが、外壁自体を使って遊ぶことはできない。そしてなぜか室内には石壁テクスチャはなく、コンクリ打ちっ放しだ。

そのため、遊んでいる最中はほぼビル内にいる感じで、城を意識した遊びができるかは微妙なところ。外壁でボルダリングでもできたらよかったのではないか。

右側の塔にはカーブしたローラー滑り台が接続している。

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左側の塔からは、短いものの直線のローラー滑り台が出ている。

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3階(屋上)から見ると、吉野川を見おろすので、とても高度感がある。

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木登り遊具。これはおそらく都村製作所の「やまびこの樹」商品だ。ということはこの公園全体が都村製とみてよいだろう。

木登りといっても、ネットが螺旋状になっているので、握力で体重を支え続ける必要はない。上部にはツリーハウスのような場所があり、そこから上に登るとなるとちょっとしたチャレンジとなりそう。

実際に遊んでいる子どもがいた。

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公園は広く、ほかにもいくつもの遊具がある。

下写真は公園から西方向を見たところ。

横切っているのは高速道路。片側1車線で追い越し車線が長い区間ない場所があり、とても使いにくい道路だ。

ここから見える谷は、中央構造線という大断層によって造られた景観だ。中央を流れる吉野川から北側つまり手前が内帯、川の南側つまり奥側が外帯で、地質がくっきりと分かれている。少し山に入ればその違いを体感することもできる。

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下写真は公園から東方向を見たところ。

吉野川の下流、つまり徳島市方向だ。

吉野川上流を「ソラ」と呼ぶのに対して、ソラから下流方向を「シモ」と呼ぶ言い方があるようだ。

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(2003年08月31日訪問)