四国八十八箇所の十一番札所藤井寺から遠くない山のふもとに川辺寺廃寺がある。その廃寺の前が公園になっていて、オーソドックスな遊具が見られる。
ジャングルジム、雲梯、ブランコ、滑り台。
住宅地から少し離れたさびしい場所にあり、子どもが遊びそうにない。
デッキのタイプからすれば開放デッキ台だ。タラップの手すりがデッキの手すりの途中につながっており、滑降部のグリップも対称的なデザイン。
だが、目を引くのは滑降部が硬質塩ビ樹脂で出来ていること。
いわゆるスノコ台である。
スノコ台が徳島に多いものなのか、他の地域でもあるのかはまだわからないが、傍流であることは想像に難くない。こういう傍流っぽいアイテムを調べるのって、ホント楽しい。
滑降面はこの滑り台が作られてから一度も交換されていないのではないかと推定される。
その根拠は、滑降面と側壁が同じ材質でできており、側壁は溶接と同時にはめ込まれたような造りになっているからである。後補で組み込むのは無理だろう。
風化して表面は荒れている。
一本柱の下部は独立基礎で、最近補強された痕跡がある。おそらく錆びてきたのでコンクリートで補修したのではないだろうか。
タラップ部には基礎がある。タラップの踏みヅラ部分は縞板を四角く巻いたようなものが溶接されている。
実際に滑ってみたが滑りはあまりよくなかった。
風化する前はもう少しマシだったのだろうか。
子どものいなくなった公園ではショウリョウバッタが遊ぶのみだった。
公園内にあったジャングルジム。
鉄筋を溶接して造られている。手作り感にあふれるジャングルジムだ。
(2003年09月15日訪問)