大泉緑地西エリアの滑り台たち

縦方向360度回転のリングトンネルが狂気じみてる。

(大阪府堺市北区金岡町)

続いて、大泉緑地の西エリアに移動。

公園の周囲は年末の買い出しの車で渋滞し始めている。西エリアには有料駐車場があったが、正門からそう遠くない場所に路駐可能な真空地帯を発見したのでそこで路駐。別にわずかな駐車料金を惜しむわけではないが、4車線の道路は右折禁止で、駐車場に車を入れるには渋滞し始めた道路を大回りしてこなければならない。その時間が惜しまれるのだ。大泉緑地に到着してからすでに 30 分が経過していた。

まだ、午後3時を過ぎたばかりだというのに、どうしてこの公園にはこんなにも黄昏れた陽射しが降り注ぐのであろうか。西エリアの滑り台は、衰えてゆく太陽の光に象徴されるような、前時代的な雰囲気の複合遊具だった。

背の高い常緑樹の林の中に溶け込むように鉄造の複合遊具が作られるという構成が、最近の日本の公園ではあまり見かけない風景となりつつあるのではないだろうか。どこか見知らぬアジアの国の寂れた遊園地にいるかのような錯覚におちいる。

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遊具の中心部には円柱状のタワーが2棟ある。これは西のタワー。

尖塔のてっぺんにひるがえる三角形の旗がえもいわれぬ郷愁を誘う。

西のタワーにはステンレス製の滑り台が1レーンついていた。すべり出しは 90°カーブしていて、後半は直線になっている。

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東のタワー。

西のタワーからは階段でつながっていて、地面に降りずに移動することができる。

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東のタワーには2つの直線的な滑り台がある。左写真は北西に向かって滑り降りるレーン。

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左写真は、東に向かって滑り降りるレーン。

いずれも、途中で段差がありスピードが出すぎないようになっている。

すごくステンレス滑降部が充実した遊具だ。

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東の棟から南側へは空中桟橋のようなものが伸びていて、そこにも小さな滑り台が付属している。

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一つは軟鉄パイプを敷き詰めたワイド滑り台。

少年が滑っていたが、あまり滑りごこちは良さそうではなかった。だが他の滑り台にはない個性があり、マニア心をくすぐる台ではある。

これだけステンレス台が充実した遊具のなかで、あえてこの台に挑むとは・・・この少年、将来が楽しみである。

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空中桟橋の終わりの部分にあるステンレス製ツイン滑り台。

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お城の滑り台から 50m くらいはなれたところにあるジャングルジム複合台。お城の滑り台と共通の質感を持つ。西エリアは同じ業者が遊具を施工しているのだろう。

滑降部はステンレスで、幅が広い。

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この台のジャングルジム部分には、リングトンネルがあるのだが、なんと垂直方向に360度以上回転している。

これ、楽しいのか? 勇気を試す装置にしか見えない。

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残念ながら西エリアにもタコはなかった。航空写真を見た感じでは、ここがいちばん怪しい場所だったのだが。そもそも大泉緑地にタコがあるという情報が間違っていたのか。子供を遊ばせていた親に聞いてみても知らないという。遊びに来ていた女子中学生のグループがいたので呼び止めてタコの場所を尋ねたら、むちゃくちゃ怪しまれてしまった。

あきらめて帰りかけたところ、先程の中学生のグループから一人が駆けてきて、タコは公園の北のほうにあると教えてくれた。グループの中の一人がタコの場所を知っていて、わざわざ知らせに来てくれたのだ。ありがとう!堺市の女子中学生。君たちがいなければ、タコを発見できずに立ち去るところだった。

(2003年12月30日訪問)