守口市から堺市の大泉緑地までは40kmくらいの道のり。近畿自動車道の測道のバイパスを飛ばせば1時間弱で移動できる距離だ。だが、途中でタコがあるという疑いのある八尾市の安中第一公園という公園に立ち寄り、結局タコは見つからず、バイパスに戻るまでにほどほどに渋滞に巻き込まれて30分くらいの時間をロス。大泉緑地に到着したときには14時30分を回ってしまった。日の短い季節だけに早くも夕方が近いような空の色になってきていた。残りの行程を考えると微妙な時間だ。
大泉緑地は東西 1km 、南北 1.5km と広大で、事前の航空写真でもタコの位置が確認できていない、今日の行程で最も厄介な公園なのだ。東側からアプローチしたこともあり、まず公園の東エリアをチェックすることにした。
遊具エリアに近い駐車場がなかったので、東側の外周道路に進入するが、路駐できそうなポイントはほぼ車で埋まっていた。行ったり来たりしたあげくやっと路駐して遊具エリアを目指すと、まず巨大なカタツムリ型滑り台が見えてきた。
カタツムリの殻の中は空洞になっていて、頭と尻尾が滑降部になっている。
カタツムリの周囲は砂場で、海岸のようなきめの細かいサラサラの砂が敷き詰めてある。砂場の外周は高さ1mほどの柵で囲まれており、犬や猫が入ることはない。砂場の広さは、ちょっとした幼稚園の庭くらいはあるだろう。
だが、この砂場で遊んでいるのはお母さん一人と子供一人だけ。カタツムリには誰も取り付いていなかった。寂しいエリアだ。
カタツムリの顔の部分には、キモチ悪い黒いブツブツが付いている。これはなんなのだ? 確かにカタツムリの体には松かさのような模様はあるが、なぜ顔の部分にだけにつけてあるのだろう。しかも、このブツブツが何かの遊びに使えるふうでもないのだ。
目は4つ。カタツムリの大触角と小触角を再現している。観察が細かいな・・・。
カタツムリの尻尾の滑降部。滑降部は人研ぎ。殻は風景が写り込むほどつるつるにペイントしてある。
殻の形や色は普通のカタツムリとは異なっていて、むしろタニシに近い。左上の写真を見ると、殻のてっぺんが体の正面からみて右側にある。ということは、このカタツムリの殻は左巻きということだ。
巻き貝の殻はほとんどが右巻きであり、左巻きは基本的には右巻きの突然変異と考えられている。
体の右側面には滑降部も登坂部も部屋への入り口もなく、図体が大きい割りには遊びでのない滑り台だといえるだろう。
この周辺はまだ公園の整備が終わっておらず、砂場以外は荒れ地になっていた。
なお、この滑り台のメーカーは確定しており、タコの山と同じ前田環境美術である。
さらに公園の奥のほうから子供たちの歓声が聞こえてきたので行ってみると、巨大なワイド滑り台があった。
滑降部の長さは20mくらいあるだろうか。以前に於安パークで見た台に匹敵する大きさだ。しかも山の斜面ではなく、平地に築山として作られているので、まるで建物のような大きさだ。
ワイド滑り台のデッキは二階屋の屋根くらいの高さになる。
上り口はステップの左右にある螺旋階段。あまりにも質実剛健というか・・・、とにかく台自体には滑るという以外にはいっさいの機能がない潔い滑り台だ。
上手な子が滑ると斜面でかなりの勢いがつくので、平坦部分を滑り抜けて砂場に突っ込むことになる。相当に迫力ある滑りが楽しめるということがおわかりいただけるだろう。
施設は新しくて滑降面の状態は良好だが、屈曲部のモルタルが部分的に摩滅して下地のコンクリが透けて見えている個所がある。
デッキに上がってみた。
待機所は狭くて、緊張感がある。
滑降部に足をたらしたままなかなか滑り出せない子供もいる。
横幅があるので、友達同士で一緒に滑ったり、親子でつながって滑ったりと、いろいろな滑り方ができるようだ。
ワイド滑り台の後ろには、1レーンのロング滑り台がある。
こちらも平地に築山で作られているので大掛かりだ。登坂部は山を360度巻いた石畳のスロープ。歩く距離が長くなり繰り返し滑降するのにはやや不便な構造だ。
ただ高さはワイド滑り台よりもさらに5mくらい高い。
滑降面はステンレス。降り口は砂場。
滑降部は支柱に支えられていて、築山の斜面からは離れているので迫力はある。
この日は年末ということもあり、子供の数は少なかったと思う。この台には滑降部は1ヶ所しかないから、子供の多い夏休みなどは渋滞するかもしれない。
上に立ってみると左右の転落防止壁やアーチのために窮屈な感じがする。
さらに下部の平坦な部分の距離が短いためか、心理的に思う存分加速することが出来ないようだ。滑っている子供の多くが、足でブレーキをかけながら滑っていた。
でも、ブレーキをかけないといけないというくらいの迫力のあるステンレス台というのはすばらしい。私が見たことのあるステンレス台では最高の台である。
(2003年12月30日訪問)