女子中学生に教えられた大泉緑地の北エリアに移動。北エリアには安全そうな路駐エリアは存在しなかった。公園外周の道路はすれ違いが困難なくらいの狭い道で、ヘタなところに停めたら近所の住民に張り紙でもされそうな険悪な雰囲気の道が続く。だがあまり時間もかけたくないので、なんとかすれ違いの邪魔にならない場所に車をねじこみ、ハザードランプを点けっぱなしで車を離れる。
西エリアで遊んでいた家族や子供たちが知らなかったくらいだから、タコといってニセダコがあればいいか、というくらいの気持ちで行って見ると、そこにあったのはわりと新しめの大ダコであった。
北エリアは海をイメージした遊具で統一されているようだ。このタコは分類上は大ダコなのだが、一目見て異質な感じを受ける。随所に特異点があるのだが、その最大の特徴は頭部に作られた顔であろう。
その顔はおよそ愛嬌のあるものではなく、遠い未来の人類の滅亡を想起させるような、悪夢的な顔のイメージなのだ。「風の谷のナウシカ」に描かれる巨神兵の化石の頭部、あるいは「未来惑星ザルドス」の奴隷船を彷彿とさせる。
頭部は異常に肥大化しており、顔はアーチの方向を向いている。一般的なタコ山では、アーチは肩の通路に対して平行になっているのだが、このタコ山では斜め前方に張り出すようにカーブしている。それがまるで歯の抜けたドクロを思わせる。
盾はボディとは明らかに異なる質感になっている。50~60 年代の暗~い SF 映画に出てくる放射能に冒されたミュータント人間の皮膚みたい。
そしてさらに気持ちが悪いのがこの吸盤。
思わず「どうしてここまでするかなあ…」と、呻いてしまいそうなキモチ悪さだ。
通常の大ダコで、右肩の触手がある個所には屋根にイボイボの付いたトンネルがある。
トンネルの内部はイボイボ付きの登坂部になっている。
うなじの滑降部はと左肩のカスガイは比較的普通。
新しいということもあって、滑降部の滑り心地は非常によかった。
左肩の触手のスロープにも屋根がついている。内部は普通のスロープになっている。
このタコ山の目立ちにくい特徴は、左わきの下スロープの降り口に壁が無いことである。(左写真で、右から2つ目の通路)左肩触手の通路から、わきの下スロープへ乱入することができる。
また、頭の中で足踏みをすると、ぽんぽんと妙に軽い音がする。中が空洞になっていて、床が肉薄な感じなのだ。最近マンションなどの床スラブは 200mm 以上というから、この軽い音は床厚が 100mm も無いのではないかという感じだ。
私が見たタコ山の中では松山の愛光公園の小ダコと並んで新しいタコ山であった。滑降部の状態も極上で、遊ぶには申し分のないタコである。
だが随所に見られる悪魔的な造形のせいで、私としてはどうしても心を開けない存在であった。
灯台の複合遊具。左写真の左端の部分に、申し訳程度に滑り台がついている。
巨大な割りには遊ぶところが少なく、ほとんどは波打つ木製の桟橋のようなデッキで構成されているだけ。
灯台は外部の階段と内部の階段によって登ることができる。
同エリアにあった帆船の遊具。申し訳程度には滑降部がついているので、一応撮影。
同エリアにあったクジラの形の小屋。
手前の三角形は尾びれ。頭の上に登れるようになっているだけで、内部で休憩できるでもないし、あずまやとしての機能は無い。活火山の山麓などにある緊急避難用のシェルターのようだ。使い道としては雨宿りぐらいしか思いつかない。
(2003年12月30日訪問)