松山駅の北500m、愛光町という住宅地の中にある愛光公園にあるタコ山。
タコ山としてはかなり特異な形状をしていて、類似のものは現在までのところ滑り台保存館#366だけのようである。正規の滑降部は正面に三本あるだけで、右背中に階段がある。
もう薄暗い時間帯だったが子供たちが群がって遊んでいた。タコ山のことは「タコ」「タコ星人」などと呼んでいるそうである。
ここは昔は駐車場だったということで、公園になったのはごく最近のようだ。タコ山としては最新のものの一つであろう。
近所のお母さんが階段に溜まった砂をホウキで掃除したり、前にある砂場にブルーシートをかけたりして(夜間に猫が糞をするのを防ぐため?)とてもきれいに使われていた。落書きもまったく見られない。
右肩通路の壁に三日月状の謎の穴が開いている。
頭部がざらっとした仕上げになっているが、これは後から補修したのではなく、出来たときからこうだったそうだ。
背面からみるとあまりタコらしくない。頭部も左側に膨らみがあるため、ハッキリと頭部だとはわからない。
うなじの穴は馬蹄型。カスガイは二列しかない。
タコの山の醍醐味ともいえる腋の下の螺旋状の滑降部は存在せず、ただのトンネルになっている。
頭部の左の膨らみには穴が開いていて、部屋の中から顔を出すことができる。
その膨らみを内部からみた様子。
左写真で少し見にくいが左頭部の膨らみの前に謎の乳状の突起がある(左写真で少年の後ろに見える部分)。
乳状突起を前から見るとこんな風になっている。これはタコの何を表わしているのだろう?
この乳状突起の部分は通路や滑降部ではなくタコの表皮面にあたるのだが、子供たちはこの部分でも滑って遊んでいた。
さらには、、、
なんと、タコの頭部から滑ることができるのだ。頭部から滑り降りてくるとこの突起部で止まる。
手すりで滑っている子供もいた。
一般的なタコ山に比べて滑降部の数は少ないのだが、滑りのバリエーションは意外なほど多いのである。
これほどまでに全身で遊んでもらえるタコは幸せであろう。
訪れた時刻が遅かったので、公園はすぐに夜の静けさに包まれていった。
(2003年12月13日訪問)