櫻井戸

名水百選のひとつ、茶の湯に使われたという。

(山口県岩国市通津)

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岩国市街を離れ、隣町の通津(つづ)へやってきた。

昭和名水百選のひとつ、櫻井戸というものがあるというので立寄ってみた。

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案内板によれば、岩国藩主の吉川氏がこの水を愛で、茶の湯に好んで用いたという。

だが湧水は整備され過ぎていて、風情もなにもない。私がこれまで見てきた名水百選のなかでは、どちらかといえばつまらなく感じてしまう部類だ。

きっと50年もすれば、多少の風情は出てくるのだろうが、そのころにはもう私は生きていない。こんなになる前の姿を見たかったな。

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現在でも水量は充分で、井戸から水があふれ出ていた。

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その水はレンコン畑を潤している。

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水は飲めるようになっていたが、水道の蛇口から出るという、名水百選としては最悪の改修。

「この水は必ず煮沸してご利用ください」とあるので、自己責任でそのまま飲んでみたが、酸味のような感じがあり、あまり美味しくは感じなかったし、冷たくもなかった。浅い地下水なのだろうか。

(2003年09月03日訪問)

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