神福寺

建物の多くはRC造。

(山口県山口市上宇野令)

写真

神福寺(しんぷくじ)豊栄神社のとなりにあった寺。

このあたりは山並みが市街地に迫っている場所で、寺や神社が密集しているから、野田神社の駐車場からは徒歩で巡ればよい。

写真

本堂はRC造・木構造の混構造。

長押(なげし)(ぬき)がないため、側面の上のほうがやや寂しい。コンクリートの柱から直接肘木が出ているが、疑似的に大斗までをコンクリで作って、そこから肘木を出せばよかったのではないか。

写真

本堂の右には玄関、その奥は庫裏であろうか。

庭木はよく手入れされていてすがすがしい。

写真

そのさらに右側には客殿と思われる建物。

写真

本堂の左側にも大きな建物があるが、位牌堂ではないかと思う。

写真

位牌堂の左には十一面観音堂。これのみ古い建物である。

写真

虹梁(矢印)のカーブはシンプルなので、観音堂の建物自体は江戸中期くらいだろうか。

写真

手挟(たばさ)み(矢印)がめずらしい形をしている。

写真

本尊の十一面観音像は山口県最古の仏像という伝説があり、国重文に指定されている。その像はもともとは別の寺にあったのを、寺が荒廃したので当寺に移したという。観音堂ごと移したのかもしれない。

写真

観音堂の左には閼伽井屋。

写真

観音堂の右側にはよくわからない木造の建物があった。仏堂なのか、座禅堂なのか、茶室なのか、納屋的なものなのかそれさえもよくわからない。ここまでわからない建物もめずらしい。

この謎の建物の廊下の先には水子地蔵堂がある。

写真

水子地蔵堂はかなり簡素な建物だが、基礎に石垣が積まれており、それは見たところ古い。

よってここにはもともと地蔵尊があったのだろう。

写真

水子地蔵堂の内部。

写真

境内にはほかに鐘堂があった。

(2003年09月06日訪問)

東国・里山奥山の石神石仏風土記 (ヤマケイクリエイティブセレクション)

単行本(ソフトカバー) – 2024/8/19
田中 英雄 (著)
古くから庶民を見守ってきた石神・石仏を知ることで、その山がまた違って見えてくるかもしれない。およそ1000もの石神・石仏を集めた貴重な記録。

amazon.co.jp

北海道、東北、関東、中部地方のユニークな石仏の写真集です。地図、ジャンル別インデックスなどがあり、見やすいです。具体的な撮影場所も書かれているので石仏巡りにオススメ。