半島部分は室津という字で先ほど紹介した四階楼などがある。これから紹介するのは島側の字、長島だ。
もともと波静かな瀬戸内の海で、さらに半島や小島に囲まれて内海のようになっているこの場所は港として好都合だった。
そのため動力船が普及する以前には、風待ち、潮待ちの港として繁栄したのだろう。
豪華な虫籠窓を持つ商家がその頃の繁栄を物語っている。
土蔵造の家では袖卯建を上げている家をいくつも見かけた。
いまは人通りも少ない静かな港町だが、こうした造形は富の象徴であり、富を競い合った時代があったのだろう。
港町の常として平地が少なく、ほとんどの家が2階建。
新しい家だが、木造3階の建物も見かけた。
土地を有効に使うため1階を車庫として2~3階を居住空間としているのだろう。
狭い路地は車で進入するのははばかられ、徒歩で散策する以外にない。
おそらく、こうした地方の路地までがGooglストリートビューで網羅されることはないので、自分の足でしか見られない風景といえる。
ところで、今回この長島に来たのは町並みを散策するのが目的ではなかったのだ。
実は
室津半島は瀬戸内のなかでもかなり景観のよい場所と思うし、港町情緒も楽しめる。内湾の道路は潮の満干が少ないからか海面に近い場所を通っていて防波堤などがなくドライブしていても気持ちがいい。
今回の旅は初めての山口県ということもあり、遅い時間にチェックインできるビジネスホテルある都市部に宿を取ったが、もう一度周防地方を訪れることがあれば、このあたりの民宿に泊まって魚などたべたいものだ。
(2003年09月06日訪問)