きょうは長門市に宿泊する予定なのだが、まだ宿が決まっていない。GW中ということもあり、早めに目的地入りして宿を探したいところだ。昨夜もけっこう宿さがしに苦労したのだから。萩市から長門市までは国道191号線が海岸線から離れ山間部を通る。小さな峠を越え狭い沖積平野に出たところで、山すそに重層の六角堂のようなものが見えた。
時間はもう16時をまわっていて、早く長門市入りしたいところなのだが、その六角堂は看過できなかったので、戻って見ていくことにした。
旧北浦街道と思われる旧道に入り、集落の中を少し戻ろうとすると古い建物があった。時間は押しているが、六角堂の前にこれもちょっと写真を撮っておくか。
扁額には「
一瞬、映画館か? とも思ったが、券売所らしき窓口もないのでやはり看板通り地域の公民館かなにかなのだろう。
建具などの建物の細かいところをみると、年代は戦後(昭和30年代)くらいかとも見えるが、全体の意匠はアールデコかドイツ表現主義を思わせるもので、それだけを見れば戦前までさかのぼりそうでもある。
特に目をひくのはファサードのボールト屋根にある朝日状の紋様と、その下にある鷹のようなオーナメントである。
横から見てみると、建物全体の棟高は2階分あるが、実際に2階があるのは前側2間で、そこから奥は吹き抜けのホールになっているようだった。
中はおそらく手前2間に2階の観覧席かあるいは映写室のような場所があり、奥の2間はステージで、体育館か演芸場のような構造なのではないかと思われた。テレビが普及する前には、移動映画や芝居などが上演される場所だったのろう。
構造はおそらく木造モルタル、小屋は木造トラスではないかと思う。
ボールトの部分は、主屋と異なる屋根の葺き方で赤いトタン葺きとなっている。
(2004年05月02日訪問)