国道191号線から見えた謎の六角堂。
重層で屋根には九輪を載せている。時間が押していようがなんだろうが、これは看過できない。
近くまで行ってみたら、それは寺ではなく単立の納骨堂だった。
正面に唐破風があるが、他の面は窓がひとつだけあり、あっさりとした造形だ。
2層には欄干があるがたぶんダミーで、登ることはできないだろう。
中を見てみるとやはり2階はなく、吹き抜けの空間になっていた。
中心部には本尊的な仏像が置かれていそうなものだが、ここでは中心も墓石になっていた。もしかして、仏教ではなく、神道とか他の宗教なのだろうか。
墓石は同心円状に並んでいる。
納骨堂というと、骨壷や位牌を入れるロッカーが並んでいるイメージだが、ここはすべての利用者に墓石があり、むしろ集合墓地と言っていいものだ。
これって普通なのか、めずらしいのか?
墓石の切れ目には明かりとりの窓がある。
墓地になぜ万国旗があるのかわからない。抹香臭い感じを緩和するためであろうか。
お寺と離れたところに単立の納骨堂があるというのは、決して珍しいことではない。だが、日ごろそれを気に止めて観賞したことはこれまでなかった。そこにどのような信仰があり、地理的、歴史的にどのような意味が特徴があるのか、向き合ってみたら何かしら発見があるかもしれない。
私にとってここは、納骨堂を観察してみようかと考えるようになった記念的な場所なのである。
(2004年05月02日訪問)