鳥取市を離れ、国道9号線を東へ、県境の岩美町へ。
そこに回廊がある本光寺という寺があるので訪れた。宗派は曹洞宗。
国道から回廊と楼門の一部が見え隠れしている。はじめてのお寺に近づいていく瞬間は、寺巡りをしていて一番幸福な瞬間かもしれない。
山門は一間一戸鐘楼門。袖塀のように左右に回廊がつながっている。
鐘楼門とは楼門の2階部分が鐘つき堂になっている楼門のことである。回廊のある寺院では回廊の角に袴腰鐘楼が接続するケースが多いが、山門に鐘楼を吊るからには、別に鐘楼はなかったのだろう。
山門から左側を見たところ。
回廊の角には壁があり、折れ曲がっているところから2間ほど回廊が続いているがその先は途切れている。
後ろから見るとこんな感じ。
つまり回廊という言葉の「回」の部分の意味はまったく成しておらず、ただの山門の横にある廊下なのだ。だが当サイトの言うところの「回廊」はかならずしも360度回転できる必要はない。とはいえ、本堂と庫裏の間に廊下があるのを回廊とは言わないから、やはり山門のところにつながっている廊下があることが必要条件なのだ。
本堂、庫裏は2年前に火災のため消失している。
旧態がどうだったのかはもうわからない。来るのが遅かったのだ。
ただ、消失前も回廊で周回できるような伽藍配置ではなかったようだ。
現在は仮の庫裏と、土蔵だけが建っていた。
本堂跡の奥にある池泉観賞式庭園。
きれいに手入れされている。
(2005年05月03日訪問)