シュエゼディパゴダ

タトン山脈の日当たりのよい斜面に続くパゴダ群。

(ミャンマーモン州タトン)

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千仏庭園があったトグナミィデニィパゴダは小さな丘の頂上にあったが、その丘の裏側のほうにもまだパゴダが続いているみたいなので回り込んでみた。

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あたりにはいくつかの寺があるようだが、山中に点在していて、どこまでが一つの寺なのかよくわからない。

なのでこれから紹介するパゴダは、もしかしたら2~3ヶ寺が混ざっているかもしれない。

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まず、丘の裏側に回り込んだところにミントグリーンの建物がある。

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神厩ですかな(違う!)

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タトン山脈の斜面に取り付く道があるので上がってみよう。

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途中に緑色の階段がある。

さっきの神厩も山門も緑だけど、ミャンマーって緑色のペンキが好きだよね。

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緑の階段の先にはムチャリンダ仏。

手前で拝んでいる人や、仏陀の両側に弟子みたいな人が立っているので本来のムチャリンダ仏の物語とは違っている。

ムチャリンダ仏は釈迦が悟りを開いて、まだ布教を始める前に竜王が釈迦の瞑想をサポートしたっていうような物語なので、弟子はいないはず。もしかして、コブラ光背にはほかのシチュエーションもあるのか?

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坂を登ったところには、小さな白いパゴダがあった。

でもまだその一段上のレベルにもパゴダが見える。

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たかだか30段程度の石段だけど、登るかどうか逡巡してしまう。そのくらいの暑さと疲労なのだ。

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でもきょうはこれが最後の石段だと思って、がんばって登った。

パゴダの周りにはミネラルウォーターのボトルが並んでいる。ネコ除けではないよ。たぶん誰かが寄進したものなのだろう。

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フラフラしながらも北東にある自分の守り本尊に参拝。

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恐ろしいことに、このパゴダにはまだ上のレベルがあった。しかも石段の段数はさっきより多い。

なんだか一度入るとどんどん深みにはまってしまう罠のような造り。さっきの石段が最後だと思って、力を振り絞ったので、さすがにもう登りたくない!

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でも登ってしまった・・・

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たぶん40℃近い気温、コンクリからの照り返しによる暑さで意識が朦朧としていたのだと思う。

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このレベルにはパゴダと小さなシンプルな仏殿があった。

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仏殿の内部。

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パゴダ。

ん? タトン山脈の尾根のあたりから煙が出始めた。山火事だな。暑季のあまりの暑さのせいで自然発火による山火事が発生することがあるのだ。

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地平線が見える。

タトンは実はマルタバン湾という海に面した地勢。でも町から海岸線までは15kmほど田んぼのような湿地帯のような地形が続いていて、簡単には海には近づけそうにない。さらに実際の海岸線がどうなっているのかは衛星写真を見ても判然としない。マングローブの森なのか、広い干潟なのか、GoogleMaps が画像処理してしまっているのでどこからが海面なのかも判別できないのだ。いずれにしても白砂青松の砂浜ではなさそう。

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さらに石段が続く。

ここまで来てしまったので、登るしかない。山で遭難する人の思考というか、コンコルド効果ですな。

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かわいらしいパゴダがあった。

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目のように見えるのは明り取りの窓。

内部に入れるパゴダだった。

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内部にはピンク色の仏陀。

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さらに石段が続く。

もう意識がおかしくなっているので躊躇なく登れる。

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一番高いところにあったのは、トグナミィデニィパゴダを縮小したようなデザインのパゴダだった。

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パゴダの基礎には不思議な階段が作られている。ナニがこの階段を登るのだろう? 動物用?

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ラワパゴダの鉄塔が見える。いつのまにかタトン山脈の標高の半分くらい登っているのじゃなかろうか。

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ふと振り返ると、さっきの山火事の煙がさらに広がっていた。サイレンなどは鳴っておらず静かな山火事だ。 どうやら燃えているのは尾根の裏側みたいだけれど、直線距離で1kmくらいしか離れていない。

煙の上には積乱雲も発生し始めた。なんかどこかで見たような構図だな・・・もしかしてこれって呑気に写真を撮ったらダメなヤツじゃないか? 「正常性バイアス」って言葉が頭の中をよぎる。周りは乾き切った潅木の林で簡単に火が回りそう。

とりあえずオートバイを置いたところまで戻ろう。

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(2019年03月27日訪問)