燃える山々

暑季の乾燥と熱さで自然発火する山々。

(ミャンマーカレン州パアン)

2月11日、勤務地の到着初日のことである。私の勤務地は市内から25kmほど離れていて、ほとんどの場合現地スタッフの車で送迎してもらっている。その勤務地からの帰り道、聖地ズェガビン山の西麓を通ったところ、垂直に近い斜面から煙が出ているのが見えた。

暑季の熱さで岩山が高温になり、自然発火して山火事が起きているのだ。現地スタッフにとっては季節の風物詩らしく、あまり大変なこととは感じていないようだ。

よく見ると谷筋に沿ってオレンジ色の炎も上がっていて、結構な火の勢いがわかる。ここは観光地でもあり山頂にパゴダもある。本当に大丈夫なのか心配になる。なにしろいま煙が掛かっている山頂付近にロープウェイの山頂駅を建設中なのだ。ロープウェイはおそらく2021年には開業するはずだ。

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2月23日。こんどは私がノゥトゥディ山脈と呼んでいる山が燃えてる。西側の斜面。

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2月25日。仕事帰りにコウカッタン寺院の近くの山が燃えていた。

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道路から近く、竹がはぜるバンバンという音が静かな夜に響き渡っている。

日本だったら消防団が出動してえらい騒ぎになっていると思うが、ここでは山火事を気にしている人もおらず、道を往来する車も素通りしていく。

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山麓には人家もあるというのに。

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翌朝出勤のときの風景。

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この奥の小山が燃えていたんだな。もう自然に鎮火していた。

このあとも、仕事帰りにきょうはあそこが燃えてる、きょうはこっちが燃えてる、というように色々な山で山火事がおきていた。

2月28日。やはり仕事帰り。ズェガビン山の今度は東麓が燃えていた。点々と灯がついているのは山頂へ続く階段だ。電線が燃えたりしないのか心配になる。

東参道は夜間でも登山できパゴダで宿泊することもできるようだが、たしか外国人は山頂パゴダの宿泊は不可だったと思う。(ミャンマーでは外国人を宿泊させるにはライセンスが必要な関係ではないかと思う。ミャンマーではホームステイはできないのだ。もしかしたらパゴダ宿泊は正規のホテルをとった上で外泊するのならOKかもしれない。)

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同じ場所の日中の様子。

暑季のミャンマー訪問は2度目で、前のときは4月~5月だったが、その時には山火事の跡は見たが、山火事そのものを見たことがなかった。

たまたまなのか、それとも山火事は2月~3月の風物詩なのか。

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3月26日。夕刻、私がノゥトゥディ山脈と呼んでいる山塊の西麓を通っているときに火が見えた。(山の名前は簡単にはわからず、現地スタッフは「麓にラカナ村があるからラカナ山でよいんじゃない?」とも言っていた。)

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燃えているのは畑の中のヤブのようだった。

農家が火をつけたとは考えにくい。燃やすとしたら昼間やるだろうと思うからだ。あるいは、昼間燃やした残り火から燃え移った野火なのか。

背後に見える灯は、パゴダの登山道。このパゴダは未踏。ノゥトゥディ山脈にはまだ未踏パゴダが多いが、建設中のものもあり、あとのお楽しみに残してあるのだ。

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さらにその裏側のノゥトゥディ山脈そのものも燃えていた。

このころには私にもこれが季節の風物詩に思えてきて、心穏やかにその風情を味わえるようになっていた。

(2019年02月11日訪問)

新ビルマからの手紙

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