以前、この方面を探索したとき遠くに見えた(仮称)ビェッカ山までいつか行くことがあるだろうと書いた。きょうこそ、その日なのだ。
ビェッカ山は3つの山体からなる小さな山脈。ミャンマー東部の山々はインド洋の造山運動の影響で、北西⇔南東の向きに山脈が形成される。パアン市郊外の山のほとんどは海底で蓄積された石灰岩が造山運動の力でアコーデオンみたいに割れて地表から突き出たようになっている。石灰岩だから当然地表に出れば雨や河川による浸食によって石灰岩洞窟(鍾乳洞)を形成する。そのためパアン市郊外は鍾乳洞だらけなのだ。
当然、このビェッカ山にも鍾乳洞がある可能性があり、それを探しに来たのだ。
とは言っても沼をゴムボートで横断したり、ロッククライミングやヤブ漕ぎによって、地元の人も知らない洞窟を見つけようというわけではなく、すでに地域の人が見つけて道を付けている洞窟を探すだけだ。
衛星写真から、可能性の高い場所は崖Ⓐ、崖Ⓑであろうとにらんだ。崖Ⓐは上の写真からそれらしき場所は見当たらなかったので、崖Ⓑを目指す。
街道から外れると、とたんに悪路になる。ミャンマーではオートバイを運転するにもサンダルが基本なので、巻き上げられる熱砂でつま先が熱い。
それでも暑季だから通れるけど、雨季にはどうなってしまうのか。
崖Ⓑが見えてきた。
ふもとには人家があるので、道で山の近くまで行けそう。
山を目指す道に入ると、引導場のようなものがあった。
火葬のための設備は見当たらなかったので、土葬なのだろうか。
引導場の内部。
崖Ⓑに少しでも接近しようと試みたが、オートバイで進めたのはここまで。
ここから先はあぜ道すらなく、田んぼの中を走ることになりそう。たぶんこんな調子ではここには鍾乳洞はないだろうと判断し引き返すことにした。
ビェッカ山の3峰すべてをヤブ漕ぎすれば、何かしらあるのかもしれないが、少なくとも観光客が入れるような洞窟はないと思う。
(2019年02月25日訪問)