シュエライン洞窟寺・洞窟

長い橋を渡った先にある洞窟寺院。

(ミャンマーカレン州コーカレイ)

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さて、いよいよきょうの最終目的地である小山へと向かおう。さきほど山の北側から山へアクセスしようとしたが、道らしい道が見つからず断念。となると残るは南側からのアクセスになるのだが、それとて衛星写真を見る限り道があるかどうかは確信できない。

ナゥンタバン僧院の北門付近から西へ行く細道があったのでそこを進んでみよう。

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途中は農村の中をぬけてゆくハッキリとしない道。まぁ道といえば道なのだが、いつ行き止まりになっても不思議ではない頼りない感じの農道だ。

それに、いまだからいいけれど雨季に通れるのかね・・・

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村を抜けると見通しがよい田んぼに出て、目的の小山が遠目に見えてきた。

よく見ると山にはいくつものパゴダが建っている。これは洞窟がなかったとしても行く価値はある寺のようだ。期待は高まる。

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小さな村をいくつか通り抜ける。4つめの村にT字路があり北へ進路をとった。

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村を抜けると小山への一本道になる。

うん、この道で間違いない。やっと確信が持てた。

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お寺の手前にはけっこうな水量の川があり、元々は歩行者専用の橋があっただけのようだったのが、いま新たに車用の橋を建設しているみたいだ。

たくさんの信者が働くところを通過して寺へ向かう。

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ありました、洞窟。

やっぱりカレン州では「ありそうなところ」には必ずあるね!

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しかもこの風景、ミャンマー人のSNSで見たことがあるやつだ。

これで写真しかわからなかった洞窟がひとつ解決。

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洞窟の登り口には巨大なゾウの像。

ゾウのサイズとしてはほぼ実物大。

覆屋の貫がじゃまで写真が撮りにくい。

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ゾウには鞍が置いてあって、その上にはお坊さんと経典。お坊さんは1/2スケールくらいか。

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洞窟の入口と思われるものは、この階段と、左側に見える洞口の2つある。

どうやら洞窟は2つあるらしい。

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左側の洞口。

手前の二体の天部の神の寄進者の名前のところに「D.K.B.A」という所属が書かれている。

DKBAは、民主(Democratic)カレン(Karen)仏教徒(Buddhist)(Army)の略。KNU/KNLAの指導者にはキリスト教徒が多かったことから、仏教徒が反発して分離した民兵組織。KNUとは対立関係にあり、ラインブエ郡区が拠点。いまいるコーカレイ郡区はKNU/KNLAの勢力圏のはずなのだが、この村は何か特別な場所なのか。

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ではさっそく左側の洞窟へ入ってみよう。

この感じだと、ここで履物を脱いでいくのがよさそう。もし洞窟が深くて、後半が探検ムードになるなら履物を取りに戻ればよいだろう。階段の段数は大した事ない。

短い階段があってすぐに洞窟内へ入っていく。

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フローストーンを利用した巧みな仏像配置。

定番のシンウーパゴは、定番の屋根付きのお堂の中にいる。顔の向きは定番の右向き。

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堂内は短い階段が続き少しずつ登っている。

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パゴダや大仏があり、堂内はよく整備されている。

でもいまのところ鍾乳洞としては大味で、二次生成物は控えめ。

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ヒラメ顔の仏陀だな。

写真に人がまったく写っていないのは、私以外誰も観光に来ていないから。カレン州の田舎の洞窟寺院なんてそんなものである。

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少し進むとパゴダ拝殿付きの小さなパゴダがある。

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そのパゴダの横にあった、よくわからな骸骨の肖像。

「人間も最後は死んで骨になるよ」という内容の絵解きとか地獄絵みたいなものを見かけるが、それとは違う意味合いのものだと思う。

この骸骨の右側が進めそう。

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パゴダの側に回り込むと、まったく光が届かない空間があり、たくさんの仏像が並んでいた。

パゴダ拝殿にいた4体と合わせて、44~45体くらいはありそう。レンコウピャ洞窟にも40体前後の仏陀があったが、四十仏みたいな単位があるのか?

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このパゴダからはさらに短い階段があって洞窟は上のほうへ続いていく。

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別の洞口に出た。

ここは外にあった別の階段につながっていた。

つまり2つの洞口は中ではひとつだったのだ。

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ここにはさまざまな様式の仏陀がいる。

これは苦行仏。

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タイ風の仏陀や五比丘像。

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洞窟は横のほうに水平に続いていて二十八仏堂がある。

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二十八仏堂の基壇にはいろいろな奉納物が展示されていた。鹿の角もあった。

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水平洞窟は長さ40mくらいか。

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奥には寝釈迦があり、さらに奥には瞑想所と思われる扉があった。施錠されていて中は見られず。

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この場所から洞窟を抜けたところにバルコニーのような場所がある。

このお寺は見どころが多いので、つづきは次ページで紹介する。

(2019年03月10日訪問)