
レーケー僧院からの帰路、1ヶ所だけ気になっている僧院があるので寄っていくことにした。
衛星写真で見ると、どうも屋根付き橋があるようなのだ。街道沿いにお坊さんの写真を揚げたゲートがあった。ここが僧院の入口だ。

街道から枝道を2kmほど行った先に僧院はある。

僧院のある丘が見えてきた。

写真ではわかりにくいのだけど、この丘は周囲をぐるっと水田や沼で囲まれていて、要害めいた立地になっている。

反対側。
僧院に出入りするには、こうして湿地を渡るようになっているのだが、その入口のひとつがどうやら屋根付橋になっているらしいのだ。

僧院の敷地に入ると、道にそって蓮の花をイメージした外灯が並んでいた。

しばらく行くと道を横切るように回廊があった。
中央は車が通れるように屋根が高くしてある。

回廊の右手を見るとパゴダがあった。
登ってみよう。

主パゴダの途中に子パゴダがめり込んだような複雑な形状のパゴダだった。

パゴダのまわりには名も知らぬ赤い花がさいていて、蝶が舞っていた。ミャンマーでは日本で見かけない蝶をたくさん見るかというとそれほどでもなく、日常生活で見かける昆虫の量は日本の田舎と大差ない。それと、シロチョウやジャノメチョウなどぱっと見に日本の種と大差ないように見えるものも多い。
雨季には蝶の種類が増えるようだ。これはキシタアゲハ。南国らしいアゲハチョウだ。

パゴダの横には小さな僧房があった。

お坊さんは留守だったが、袈裟が干してあるのでここに住んでいる可能性がある。

僧房の横には水垢離場があるが、水槽に水は入っていなかった。

パゴダから回廊を戻り、、、

今度は道の反対側方向へ行ってみる。
回廊は谷を下っていて先は見えない。

ベンチにはこれを寄進した人の名前が書いてあるようだ。使われている文字はミャインジーグー文字。
カーブが多いミャンマー語の文字に対して、直線が多いミャインジーグー文字はどことなく漢字っぽく見える。

回廊はずっと続いている。
オートバイはパゴダの前にとめてここからは歩いていくしかなさそう。

回廊を下りきったところに屋根付橋があった。

いいよねえ、屋根付橋。
日本の寺でも長野県や中国・四国地方の寺でいくつかあるけど、もっと普及してほしいよ。

この橋は回廊の途中にあるので必然的に屋根が付いたととも言えるが、一応、屋根の棟は橋の部分で切れていて、独立した屋根付橋になっている。

橋を渡ると回廊は上りになる。

途中に小さなパゴダがあった。
パゴダ拝殿というか、鞘堂が完全にパゴダを囲んでいて、鞘堂の屋根からパゴダが突き出しているという状態。
比較的珍しい構造だと思う。

さらに回廊を登って行く。

回廊を登り切ると、そこには得度堂があった。

得度堂の隣りには背の高いパゴダ。
このパゴダも、パゴダの外周に祠がめり込んだような複雑な形状。

鐘つき柱。
この半鐘、たぶん戦闘機の落下増槽だよね!?

さらに進むと瀟洒な僧房があった。

お坊さんの住居か。

庭も丁寧に整えられ、テーブルも並んでいて気持ちのよい空間だ。

ここから下のほうに修行僧が暮す僧房が見えた。

下りていってみよう。

水垢離場が見える。
僧衣がたくさん干してある。

回廊の中で修行僧に出会った。
洗濯中なのか上半身ハダカ。

僧房を回り込むと、屋根付橋が見えた。
これが衛星写真から見えた橋だな。

橋は寺の周囲を囲んでいる沼地を横断している。その屋根付橋の下も物干しになっている。

きょうは天気がよくなったので洗濯日和なのか。

橋脚にハンモックがつけてあった。昼寝するのに気持ちよさそう。
ミャンマーの僧院は、修行の場であると同時に全寮制の学校としても機能していて、修行が終わった午後は修行僧はのんびりする時間もある。24時間、息を抜く瞬間もないような修行ではなく、子どもたちの成長と生活の空間でもあるのだ。

美しい場所だな。天気のよいときに来てよかった。

橋を渡り切って僧院の外に出る。

橋の先は森の中へ続いている。この道の先にたぶん人家はない。なぜこの方向に屋根付橋があるのだろう。
もしかしたらこれは古い街道なのか。

僧房へ戻ってきた。
薪を燃やす臭いがしている。夕食を作っているのだ。

少し覗かせてもらった。
このように修行僧の食事を作る場所を「

素朴なミャンマーの台所。
修行僧にお寺の名前を訊ねた。「トウボクトーヤージョウン」ということだった。「トーヤージョウン」は仏教の学校みたいな意味だからタイトルは「トウボク僧院」とした。

瓶が並んでいた。
何を作ってるんだろうか。お寺だからお酒ってことはないだろうから、漬物だろうか。

とても境内が広い僧院で堂宇も多い。境内の地形も複雑で景色もバラエティに富んでいる。観光で来るような僧院ではまったくないのだけれど、美しい風景がみられてよかった。
ここからオートバイを置いたところまで歩いて戻らなければならない。たぶんこの道を行けばいいのだろう。
(2019年07月17日訪問)