
きょうの最初の目的地の僧院。
その敷地は半円形に川に囲まれていて、よく見ると川の中に何かある。
屋根付橋? それにしては対岸に道がない。水の上にお堂でもあるのか? 気になってしまうよね。

それを確かめるためにやってきた。

山門は当サイトの分類でいう「逆さ懸魚型山門」。このタイプの山門を持つ僧院は、地味な修行の場で観光で入るのには向いていないことが多い。
扁額の文字は「ティリンダラマの森の僧院」って書いてあるっぽい。

境内に入ると敷地全体がコンクリで舗装されていて、庭に植木が綺麗に整えられてた。
村の僧院にしては手が掛かっている。

大きな僧房(右)と小さな僧房(左)があった。

まず大きな僧房に行ってみた。中は一部屋で、奥の部分が仏壇になっている。
お坊さんと修行僧の2人しかいない僧院みたいで、ちょうど食事中だった。
お坊さんに僧院の名前を訊ねると、手帳に「Thi Rein Darama」とアルファベットで書いてくれた。「ティレインダラマジョウン」つまり「ティレインダラマ僧院」ということのようだ。

大きな僧房だけど、修行僧が少ないときはこんなふうに片隅を使って修行するんだな。
食事を勧められたけれど丁寧に断わって、境内を見せてもらうことにした。

僧房の奥が仏壇になっている場合、外側はこんなふうに凸型になっていて仏壇の上は層塔になっているというパターンが多い。
逆にいえば、切妻屋根の建物の片側に層塔が載っているのは僧房の可能性が高いと判断できる。

もうひとつあった小さな建物。
こちらは想像だけど、お坊さんの住居ではないかな。

後ろ側にはやはり仏壇スペースがありそう。

僧房にはパゴダが併設されていることが多い。
わざわざ外から人が拝みに来るというほどではなく、僧院専用の祈りの空間というような位置づけだ。
でもまあ、外から拝みに来てもいいんだろう。別に怒られるということもない。

僧院の境内はぐるっと川に囲まれている。ちょうど堀の中にあるお城のような地形。



境内の一番奥に、目的の建物があった。
どうやら
たいてい場所は境内の奥まったところにある小さな建物で、やはり層塔を載せていることが多い。

それが川の上に建てられている。
得度堂の周りにはティンと呼ばれる擬宝珠型の結界石が並んでいるので判別しやすいが、このお堂は川の上にせり出しているので結界石はない。
でも、これは得度堂で間違いないと思う。

湖や沼の中に得度堂があるというパターンはけっこうありそうだが、川の中というのは珍しいのではないかと思う。

もっとも川と言っても流れは緩やかで、沼のようにしか見えない。
(2019年07月20日訪問)