ティーポゥケイン村を過ぎると、道はだんだんと荒れてくる。一応、締まる土壌が客土してあるようなので大きな穴やワダチはないが、だんだんと不安になってくる。
ピタカ丘陵の西側に入ると、さらに道が狭くなり、周囲は荒れた二次林かゴム林で、まったく人家がなくなる。
途中、一箇所まぎらわしいY字路があったが、おおむね一本道だ。
なんとかオートバイで走れる程度の路面状況が続いている。水溜まりが頻繁にあり、普通乗用車だとそのつど減速して走らなければならないだろう。カレン州の田舎道によくあるケース。
ピタカ街道から枝道に入って未舗装の道を8km。やっと洞窟のあるお寺の門前に到着した。
これまで洞窟寺院の多くは衛星写真からアタリを付けて調べてきたが、ここは GoogleMaps に誰かがラベルを付けていたので知ることができた。衛星写真だけでは絶対に気付かなかっただろう。
GoogleMaps に洞窟がラベル付けされていることはめったにない。カレンっ子ももう少し頑張ってほしい。
山門の扁額に「နောင်မြလွဲလှိုဏ်ဂူ」とある。「ノゥミャロェ洞窟」か。
山門をすぎると林の中に僧院があった。
本当に地味な僧院だったので、入るのはやめておいた。
ものすごく田舎だし、外国人が来るような場所じゃないからびっくりさせてもいけないと思い。
僧房とパゴダがあるだけの質素な僧院だ。
ひたすら林の中を進んでいく。
林が切れると、洞窟のある山体が見えてくる。
山の周囲には濠のような沼が取り巻いている。河川の跡かもしれない。
洞窟へは土橋があるので問題なく行ける。
土橋の入口にあるナッ神の祠。
トイレもある。
いよいよ洞窟へ。
石段があるが、洞口はすぐだ。
洞口はおおきく開口していて、そこにステージのような基壇が造られている。石段はステージを避けるように左右に分かれる。
どちらを進んでも同じだが、右側から行ってみよう。
ステージの上には説法印の仏陀。
ステージの奥へ進んでいくと、壁にびっしりと文字が書かれている。お経でも書かれているのかな。
洞窟の奥には過去七仏堂があった。
ここまでで終わりか、洞窟というより、大きな窪みじゃん? と思っていると、、、
おっ! 過去七仏堂の裏側に行けそう!!
奥が続いている。
二次生成物はフローストーンが中心。
フローストーンとリムストーンの融合。
洞窟は数mの上下や、ルートの分岐はあるがすぐに合流していて、基本的には1本道。
でも一応すべての分岐に入っておくか。
さらに進むと天井が低くなってくる。グアノが多くて空気がよくないのでこれ以上入るのは止めておく。
もしこの奥に長大な洞窟があるのなら少しは空気の動きがありそうだけど、まったく風がないのでたぶんすぐに行き止まりになっているのだろう。
日本だと鍾乳洞の内部は涼しいことが多いが、ミャンマーの鍾乳洞はむし暑いことが多い。
シャツが汗でべたべたしてくる。
天井にはコウモリがいるので、ちょっとさわがしい。
普通に入れる部分の長さは深さは100mくらい。
洞口が大きく、徐々に細くなっていくタイプの行き止まり洞だった。
洞口の左側にチャイティーヨーレプリカがある。
登れそうだ。
チャイティーヨーレプリカの下には瞑想堂。
ま、見えているけど、登ってみようか。
階段は途中からすごく狭くなっている。
体をよじらないと通り抜けられない。
そして一段一段がおそろしく急に。
この右側の部分の5cmくらいの踏面が階段なのだ。
チャイティーヨーレプリカに到達。
そこから見下ろした洞口。
こうして見るとけっこう立派な鍾乳洞だな。
(2019年07月20日訪問)