ピタカ山大仏

山の尾根にある巨大マハムニ大仏。

(ミャンマーカレン州ラインブエ)

今回のミャンマー入国時、たまたま飛行機がピタカ丘陵の上空を通過した。

丘陵の南の尾根にはパゴダのような物体が並んでいるのが白い点となって見える。でも飛行高度は1万mほどあるので、細かいところまではわからない。

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「いつか、あの丘陵にも行けたらいいなぁ・・・」

飛行機から写真を撮っているとき、ここに来ることがあるとは 1%も想像していなかった。

それがいま、自分の運転のオートバイでこの村を訪れているのだった。

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ピタカ街道の路面は相変わらず良好だが、2~3箇所、乗用車が通行できないような段差のある橋があった。

なんだろうな、カレン州の橋の工事は。橋台が路面より1m程度高く造られるのだけど、橋だけが完成して1年、2年たっても斜路が舗装されず、そのうち土が流亡して橋の入口に大きな段差ができてしまうのだ。

車高の低い車は斜めに走っても、ほぼ腹をこすってしまう。なぜ斜路を一体で発注しないんだろう・・・

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街道には途中、無人のセキュリティゲートが1箇所あったが、特に剣呑な雰囲気はなかった。

さていよいよ丘陵の南端が見えてきた。

尾根に2~3基のパゴダが見える。

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そして、尾根をたどっていくと、なんと大仏が!

飛行機からはまったくわからなかった。

大仏の裏山にもパゴダがあるが、かなりの急斜面だから行けたとしても大変そう。

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寺への枝道に入って、1.5kmほど走る。

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尾根のふもとにあるお寺に到着。

入口には吹き放ちの建物。

中はコンクリのタタキで、オートバイが駐車してあった。こうした建物はこれまでに何度か見ているが、何なのかは不明なまま。

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こちらは食堂と僧房かな。

食堂も床がなくコンクリのタタキのまま。修行僧がいるようなお寺ではないのかもしれない。

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尾根へ登る階段の入口。

階段には全体的に屋根がかけてあるので裸足でも登れるが、さっき見た奥のほうの大仏まで行くつもりなので、コンクリ部分はサンダルを履いたまま登らせてもらう。

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登り口の右側には菩提樹。

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その奥には2階建ての建物。庫裏だろうか。

2階への登り口はたぶんバルコニーにあるハシゴだけだろう。ユニークな設計。

ゲーム『ひぐらしのなく頃に』後半のやっかいなステージ、「梨花ちゃんハウス」を想起してしまうのは私だけ?

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その先には鞘塔があった。

鞘塔(さやとう)」は当サイトの造語で、パゴダを層塔型の建物で覆ったもの。

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ではさっそく尾根に登っていこう。

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尾根の直登なのでけっこうきつい。

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きょうはここまであまり体力が必要なお寺はなかったのだが、雨の中の出発で走行距離も長かったので実はけっこう疲れている。

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手すりがあるのがありがたい。

手すりにすがりついて、1歩1歩足を前に出していく。

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途中、見晴らしのよい斜面に出られる場所があったのでそこで小休止。

ここから見える小山はだいたい把握している。大きく見える2箇所の丘陵は、未踏だがちょっと行きにくい場所にある。コーカスェ村という場所の丘陵で、パアン方向からはラインブエ川を渡船で越えることになるだろう。

あるいはこの場所から、パアン方向に戻る形で回り込むこともできるがきょう行くのにはもう時間も体力も足りない。

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低い尾根のピークに到達。

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ここにはパゴダ拝殿があるが、どうにもパゴダがよく見えない。

どちらかというと展望所か休憩所なのだろう。

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パゴダは回廊の中からは見えにくいので、背後から写真を撮ってみた。

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さらに登ると2つ目のパゴダの拝殿に到達。ここはタイル敷きなので私もサンダルを手に持って進む。

若者のグループが登ってきて話しかけてきた。

「パアンから来たのか?」

「そうだよ」

カレン州で外国人を宿泊させるライセンスを持ったホテルって、パアンとミャワディにしかないのだ。

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2つめのパゴダも回廊内からはよく見えない。

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拝殿の横にさらに尾根を登る細道があった。

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2つ目のパゴダを、後ろから撮影。

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この細道を進めば、大仏のある尾根へ行けそう。

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大仏まではいいとして、その裏山の山頂パゴダはすごい場所にあるな・・・。

でもどうやらパゴダまで登れそうだ。

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パゴダから大仏まではいったん尾根を緩やかに下って、登り返す。

さっきパゴダに来ていた若者グループはついてこない。

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大仏が近くなってきた。

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夜に大仏を電飾するための電線が引かれている。

高さ2mほどのコンクリの柱に、横木をボルトで取付けただけの電柱。恐ろしいのは、碍子がなく剝き出しの鉄線が釘に巻き付けてあるだけという、古い家の物干し台レベルの作り。ここに240Vが流れているのだ。

漏電しないのかね。

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大仏に到着。

王様の衣装を身に着けたいわゆるマハムニ仏だ。

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すっごく雑に電飾が引っかけてある。

小さな蛍光灯ひとつでもミャンマーの田舎は暗いから、目立つだろうな。

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大仏からさきほどのパゴダの尾根を見返すと、中々に美しい風景。

雨季は緑が鮮やかなので、一番いいときに来たのかもしれない。

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大仏の裏側に道が続いている。

山頂のパゴダまで行けるのだ。

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大仏の裏側には謎のクレーター。

いままでこうした窪みは、山寺で仏殿の室内に入るときに足を洗うプールなのかと思っていたが、これは違うな。

完全な屋外だし、大仏の後ろ側にあるというのが参詣のために足を清めるのだとしたらおかしい。

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めずらしいマハムニ仏の背面。

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山頂パゴダの登山路は、手すりもあってちゃんとしていた。

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高度が上がるにつれ、周辺の田園風景が見渡せるようになっていく。

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途中からは急な石段になる。

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きょうはここが最後の訪問地なので、頑張って登ろう。

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いったん小さなピークに到着。

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ここには小さなパゴダが2基あり、ベンチもある。

下る方向への分かれ道があったので、何かあるかと思って下ってみたが、しばらく先で行き止まりになっていて何もなかった。

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ベンチに戻ってひと休み。

最後の登りの前に、ここで少し休んで風景を楽しむという趣向なのだろう。

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ドーナ山脈の滝がここからも見えた。

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丘陵の周囲は水浸しの沼地だ。

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湿地を横断する竹製の橋が遠くに見える。

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山頂のパゴダまではあと少しだ。

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やっと山頂に到着。

山頂には小さなパゴダと屋根付きの休憩所。

ただし、展望はさっきのベンチのほうがよかった。

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休憩所の中の様子。

奥のほうに何かある?

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尾根を少し下ったところに僧房があった。

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洗濯物が干してあるので、たぶんここで生活しているお坊さんがいる!

飲み水を担ぎ上げるだけでも大変だろうに。

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南の尾根の最高峰はこの僧房のさらに奥なのだが、登山路はなさそうだった。

でも、そのうち開発されそうな気もする。

(2019年07月20日訪問)