市街地からロープウェイで登ることもできるが、その山すそからは何本もの登山路がある。これから紹介するのはその登山路の入口付近に作られた小さな城だ。
私はそれを「眉山城」と呼んでいる。
眉山の北麓には伊予街道という大変に古い道が通っている。それは、四国八十八ヶ所霊場の歩き遍路が通る「へんろ道」でもあり、私はとても好きな道なので、自転車で通勤(10km以上の道のりだった)したときなどは必ず通っていた。
そのへんろ道が市街に入る手前に、ハギレを扱う問屋が並ぶ「ハギレ横丁」とも呼べる場所がある。そこから徳島ラーメンの有名店「いのたに」へ抜ける目立たない路地がある。眉山城はその路地から小さな神社へ登る参道の入口にある。
その中でもこの眉山城はかなり立派なほうだと思う。
小さな造りゆえ、デフォルメされているのはしかたがないのだが、鉄砲狭間や矢狭間、千鳥破風や唐破風など、私たちが「城」に求めている萌え要素がふんだんに用いられている。
近づいて見ていると、まるで巨大なお城を見ているような錯覚におちいってしまう。
風鐸みたいなものが下がっているのも芸が細かい。
お城は本丸と出城に分かれていて、本丸は4重大天守+隅櫓、出城が3重の堂々たる造り。
本丸には曲輪内に多宝塔がある。
この一角には城だけでなく、お寺のようなものも作られている。
崖に作られた鐘堂。
鐘堂には鐘も下がっている本格的な造り。
近くには残骸が転がっていたので、かつては三重塔でもあったのかもしれない。
カエル発見。
目玉がビー玉で作ってある。
眉山城を築城した城主は、近くにあった銭湯の御主人だという。
その庭には陽明門と思われる山門も飾られていた。
コンクリのライオンやゾウもある。
御主人は中々のアーチストだったようだ。
(2008年03月02日訪問)