下仁田町の本宿という集落に映画館があると知人のNさんから聞いて、いても立ってもいられず、半日の空き時間を利用して本宿に来ていた。
本宿は中山道の裏街道である、通称「姫街道」の宿場町。
江戸時代までさかのぼりそうな旅籠みたいな建物は見あたらないが、明治時代くらいの古いしもた屋がけっこうあって、宿場町の風情を感じることができる。
特に観光で見られる古民家などはなく、唯一観光客が立ち寄るような店は、「本宿どうなつ」というあんドーナッツを売っている和菓子屋だろう。
激シブの食堂。
やってるのかな・・・。
気になるバイク店、ストロング商会本宿支店。
半切妻の建物は、旧郵便局か。
木造3階の建物もある。旅館かな。
街道に面したところは2階建ての民家が多い。これらは旅籠(つまり旅館)ではなく、もともと商売をしていた家ではないかと思う
それぞれがどんな商売をしていたのかは、店構えからは判別できない。
さて、件の映画館はこの土蔵の横の路地を入ったところにある。
とても映画館があるようには見えない。
半信半疑で進んでいくと、、、
ありました!!
って言われても、どうにも映画館には見えず、材木問屋の倉庫かな?という風情。
現在は車庫、兼、倉庫として使われている。
内部はここから少し見えるけれど、人の家の車庫なので外から見るだけにしておく。
内部は確かに劇場の造りで、南側にステージと袖幕などが残っている。生粋の映画館ではなく芝居小屋の可能性も高い。左右には二階桟敷のような構造がある。
映写室と思われる2階部分。
でも映画館としては遮光も不完全なので上映するとしたら夜しかできなかったのではないだろうか。
農村地域で倉庫を映画館に改装したというような話もたまに聞くので、もともとは倉庫だったんじゃないかという気もする。
近くで聞き込みをしたが、劇場の名前はわからなかった。いつかまた別の機会に聞き込みをしようと思う。(➡後日、詳細な情報を@デロ様より教えていただく。)
本宿にはここより東にも別の映画館があったという。
この劇場は「本宿ブームタウン」といい、昭和24年に造られたものだという。
名付けたのは勅使河原原三郎氏(エビスヤ商店主)。本宿商工組合が株組織を作り、出資を募って村の娯楽の場として建設した施設だった。映画だけでなく、婦人会の総会、演芸会、青年団のダンス練習場、のど自慢大会などにも使われた。
(2020年12月07日訪問)