小沢屋敷の風景

かつての桑園から集落を見渡してみた。

(群馬県南牧村小沢)

写真

弁天沢の農家に聞いた「かつて広い桑園があった」という場所に来てみた。養蚕の後は果樹を作ったようだが、いまはそれもやめて、僅かに根菜や葉ものを作っているだけの広々とした休耕地になっていた。

そこから先ほどの弁天沢の家々をあらためて眺める。ここから見えている家々の住所は小沢屋敷。

写真

一瞬、ぎょっとなったのはこちらのお宅。

➡ 場所

石置き屋根かと思ってしまった・・・。

どうやら鉄板葺きの屋根を桟瓦葺きにグレードアップしようとしているようだ。

写真

近くで見てみる。

桁方向にもバルコニーを持ち、破風を朱色の板で飾っている。中々お洒落な家。

写真

こちらも破風を板で飾っている。色は白。

➡ 場所

この家は妻側のバルコニーはない。ケラバ部分にぶら下がっている状態。

この板に名前はあるんだろうか? 矢切板??

小沢集落の特徴といっていいと思う。

写真

こちらの矢切板は黒で、さらにヒサシが付いている。

➡ 場所

外階段でバルコニーに登れる。こういう構造の養蚕農家ってあまり見たことがない。

写真

こちらの家は妻側に板を付けただけでなく、平側のバルコニーにも壁を作って、バルコニー部分も室内空間にしてある。

➡ 場所

写真

日影小沢の山ぎわの畑で農作業をしている人が見えた。

➡ 場所

獣除けの柵に養蚕のカゴ(蚕箔(さんぱく))が使われている。黒っぽく見えるのは竹製のカゴで、上州籠と呼ばれるサイズの蚕具。手前を横切っている青緑色のものは鉄製のカゴで上州籠の互換サイズのもの。サンピー蚕箔などと呼ばれる商品で、昭和40年代の蚕具だ。群馬県の農家では、養蚕の蚕箔が柵として使われているのをよく目にする。

さてこの農作業だけど、地表に白い点々が見えるので肥料を混和しているところだろう。石灰を撒いたのかと思う。足元に収穫コンテナがあるのは、同時にコンニャクの種芋でも埋めているのかもしれない。

谷側を向いて後傾姿勢で鍬を振るっているのがわかるだろうか。これは「土上げ」といって、耕しながら上方向へ土をかぶせていくことで雨で流亡した土壌を元に戻す作業。

写真

いまどき鍬で耕すだけでも重労働なのだが、これだけの傾斜があると管理機(耕うん機)を使うのも危険。

先祖が拓いた畑を守っていくためにはこのように少しずつでも土を戻さなければならないのだ。

(2011年05月07日訪問)