南牧川の支流、弁天沢川に沿って入り込んでみる。
住所は日影小沢。北斜面の集落なのでそうした名前が付いたのだろう。
沢沿いの道にしては大きな家が並ぶ。この沢の奥には大きな石灰石鉱山があり、かつては人流の多い渓口集落として栄えたのではないか。
弁天沢川は2面擁壁の味気ない沢だが、水はきれい。
おじさんが漁具を洗っていた。あるいは、釣ってきた渓流魚でも活かしておいたのを回収にきたのか?
綺麗な沢に寄り添った暮らし、いいなぁ。
この沢で最も目を引くのがこの家。地図を見ると田村方雄商店とあり、味噌を製造する醸造所らしい。
切妻屋根の妻面に開口部が並ぶ豪奢な造り。一瞬、芝居小屋かなにかかと思ってしまったよ!
妻面は座敷で、回り込むと平側に帳場みたいな店がある。
裏側が醸造所なのかな。素焼きの煙突が可愛らしい。
この煙突は日影小沢集落のシンボルになっている。
田村方雄商店の向かいにある火の見櫓。
地下室はおそらく養蚕の貯桑場に使われたのだろう。
この家も妻面に開口が多く、障子戸が可愛らしい。
家の正面。左側には養蚕用のエレベータ、右勝手で玄関前には屋根がある。ちょっとした雨でも仕事ができる使い勝手のよさそうな間取り。
その先にも地下室のある家。
こちらは最初から車庫として造られたのだろう。昔の日本車って小さかったのだ。
農家の裏には茶堂がある。
弁天沢の左岸の崖上にある最高にカッコいい蚕室。
ノアの箱船か !? ってくらいの迫力。
眼福だなあ・・・。
2階建てで、おそらく2階は上蔟室なのだが、屋内階段がなく渡り廊下で出入りするようになっている。
1階から出て、道の向かい側から2階に上がることで両手が塞がっても2階に駆け上れるというすばらしい動線。
ご主人がいたので話を聞いたら、全盛期には年間40万頭を飼育し、1ヘクタールほどの桑園があった。ご主人のお父さんは高山社で学んだそうだ。
それ以前には麻を作っていたという。近江商人が買い付けに来て、そのまま住み居着いた人がいるという。
(2011年05月07日訪問)
