秩父市の主要な目抜き通りである「本町通り」。
秩父国際劇場から200mほど南に行ったところに、古い書店があった。名前は「読書クラブ」。
ゆるいネオルネッサンス洋式のビルのように見えるけれど、じつはこれ看板建築。
街道に面した2階建ての平入りの見世を改造して、屋上屋の3階を取り付けてあるのだ。3階の奥行きはたぶん5.4m程度しかない!
そして、元になっている木造建築は、明治時代くらいまで行きそう。明治時代から書店だったとは考えにくいので、呉服店などの別業態だったろう。看板建築に増築したときに書店になったのかもしれない。
裏側から見るとこんな感じ。
とても同じ建築物とは思えない。
このギャップが看板建築の面白みともいえる。
書店の右隣の「あさや」という酒屋さんも同じようなテイストの建物になっている。
「Self Service Store」とは、現代の「スーパーマーケット」という言葉ができる前の、実質的なスーパーのこと。それまでの対面販売から、客が自分で商品を持って会計するという業態に変化したときにできた言葉だ。
たぶん年代的には1960年以前の建物と思われる。ということは、読書クラブの看板部分も同じくらいの時代なのだろう。
2021年現在、読書クラブもあさやも建て替えられている。
(2007年02月10日訪問)