2月にしては暖かい日。先週までいろいろなことが重なり仕事が忙しく、ひさしぶりの休みだったが、何もしないうちに午後になっていた。
独身時代ならこんな日は目的もなくドライブに出かけたりしたものだった。でも結婚してからは目的もなく外出することはなくなっている。でもきょうは久しぶりにひとりで無意味なドライブにでも行ってみようと、だらだら走っているうちにいつのまにか埼玉県の荒川周辺にまで来ていた。
時刻は17時半。あたりは夕焼けのオレンジ色に染まりつつあるころ、荒川の河畔の細道に迷い込んでいた。
このあたりは学生時代、うん十年前にお寺を廻ったことがあるが、もう記憶はすっかり曖昧になっていて、ほとんど思い出すことができない。
走っているうちに「清本禅寺」という石柱があったので、お参りしていくことにした。
きょうここまでに前を通ったお寺はたくさんあるのに、日が暮れてからなぜここに来てお参りしていくことにしたのかも大した理由はない。私はお寺参りが好きだけど、「あそこは面白そうだから行くぞ」という計画を立てていることはめったになく、ほとんどの場合、ふらっと立ち寄ることが多いのだ。
清本寺は敷地の周囲には塀や垣根などもなく、ずいぶんあっさりとした感じ。
田舎の檀家寺であり、横を通りかかった一般人がお参りしていこうという感じのお寺ではない。でもそんなお寺にお参りする瞬間に幸せを感じてしまう。
本堂は比較的新しくきれい。
定礎を見ると昭和62年(1987)となっているから、34年たっていることになる。築34年ってけっこうきれいなものだな。
ぱっと見には無住のような雰囲気だけど、境内のとなりの一軒家がもしかしたら住職のお宅かもしれない。
境内には本堂のほかには六地蔵堂。
6体すべてが違う造形。時節柄マスクをしている。
本堂は南面しているが、境内へは敷地の北側から入るようになっているので、本堂の正面にははっきりとした参道はなく畑が広がっている。
奥に見える森は荒川の河岸段丘崖だ。この寺があるレベル自体は河道より2段高い段丘だから、荒川が氾濫しても浸水するような場所ではない。ここから見る風景は長いあいだ変化してないのではないか。
墓地は本堂の北側にある。
墓石はほとんどが新しい。最近整理したのだろう。
(2021年02月21日訪問)