仕事で東京まで車で出かけ、帰りに時間の余裕があったので寄り道でもしようかと川越の方面へ。
JR川越線に沿って県道15号、いわゆる川越日高線を西へ。私は大学時代の4年間を川越で暮らしたので、この界隈は懐かしい場所になる。でも、風景がだいぶ変わったのか、それとも大学時代にはよく目を開けていなかったのか、県道の風景は当時の印象と違って見えた。
お目当てはJR武蔵高萩駅からほど近い、女影交差点にある辻時計。
これ、大学時代にもあったはずだし、この場所も何度か通っているので気付きそうなものだけど、知ったのはずいぶんあとになってからだった。
いや~、しびれるね。
竿の部分はRC造洗い出し仕上げ、火袋は木造というハイブリッド構造。以前に紹介した南高麗の辻時計と共通する設計思想。
時計だけじゃない。その後ろにある桜の大木、ゴミ収集ボックスや掲示板、ピンク色のベンチまでが渾然一体となって、昭和的な宇宙を作り出している。
永遠に変わらないでほしい風景だ。
裏側から見たところ。
定礎によると時計台は二代目で、初代は御大典記念の昭和3年9月、二代目は道路拡幅のために建て直されたもので昭和51年11月製。
以前の様子はわからないが、おそらくほぼ同じ造形だったと思われる。
南北の道から見たところ。
この南北の道は鎌倉街道と呼ばれる古道で、いまは目立たないけれど重要な交差点なのだ。
鎌倉街道の北向きの風景。
ん~、武蔵野台地の典型的な住宅地ですな。
鎌倉街道の南向きの風景。
何でもない風景だけど、埼玉で青春時代を送った者には懐かしくも切ない風景なのだ。
後日、たまたま夜にこの近くまで行ったので夜の様子も見てきた。
もうね、この萌えをどう表現していいのかわからないくらい愛らしい。
(2016年05月13日訪問)